2020.12.06

連結会計

開示・連結決算

海外拠点ガバナンス

DivaSystem LCA

DivaSystem Dx3-Advance

海外拠点のガバナンス強化と連結決算業務効率化をDivaSystem Dx3-Advanceで同時に実現

KDDI株式会社

2004年よりDivaSystem LCAをご導入・ご活用いただいているKDDI株式会社(以下KDDI)。au・UQ mobileブランドによるモバイル通信サービスはもちろん、ブロードバンドインターネットサービスやICTソリューションを国内はもとより世界に向けて提供し、世界62都市、100以上の海外拠点を展開しています。

世界各地で順調に拠点数を拡大する中、KDDIにとって長年の課題となっていたのが、各子会社(特に海外子会社)に対するガバナンス体制の強化。いかに短期間かつ低コストで高いガバナンス体制を構築するか。その解決手段としてご導入いただいたのが、海外子会社の仕訳明細や残高データを本社側からも可視化できるツール「DivaSystem Dx3-Advance」です。

その導入プロジェクトに参画された経営管理本部の3名の方に、導入前の課題や導入後の効果などについてお話をうかがいました。

経営管理本部 経理部 連結決算グループ 課長補佐 本田博嗣様
 ※プロジェクト時…経営管理本部 グループ事業管理部 海外グループ 課長補佐
経営管理本部 経営管理部 統括グループ 課長補佐 竹内則雄様
 ※プロジェクト時…経営管理本部 経理部 連結決算グループ 課長補佐
経営管理本部 DX推進部 CoE推進グループ マネージャー 鳥井太貴様
 ※プロジェクト時…経営管理本部 経理部 連結決算グループ 課長補佐

  • 導入前の課題

    • 海外子会社に対するガバナンス

    • 子会社報告数値の妥当性を確認するためのタイムリーな情報収集が難しく、ガバナンス強化の手段を模索していた

    • 親会社による子会社監査時の作業負荷

    • 子会社監査時のデータ収集が親会社・子会社双方の負荷に、また、異なるフォーマットを整形する作業が親会社の負荷となっていた

    • 親会社への決算報告業務の負荷とこれに伴う作業ミス

    • 親会社へのデータ報告はマニュアル作業のため子会社側の負荷となっており、かつ、転記ミスなどの作業ミスが発生するリスクがあった

  • 導入効果

    • 海外子会社データの見える化によるガバナンス強化

    • 子会社報告数値の内訳となる仕訳データを本社側でタイムリーに確認できるようになったことで、子会社に対する牽制効果が生まれた

    • フォーマットの統一によりデータを利用した作業が容易に

    • 取り込んだ仕訳データは同じフォーマットで出力可能なため、他のシステム、ツールへの連携が容易になった

    • データ連携で作業負荷と作業ミスを同時に低減

    • 報告フォーマットへのデータ入力が一部自動化されたことで、子会社側の報告負荷低減のみならず、転記等による作業ミスが低減された

短期間・低コストでのガバナンス強化を目指し導入を検討

―まず、貴社がDivaSystem Dx3-Advanceを導入するに至った経緯や背景について教えてください。

本田様 弊社では以前からDivaSystem LCAを経由してグループ会社の経理財務関連数値を集めていましたが、その内容をタイムリーに確認することは難しく、子会社に対するガバナンス体制の強化が課題となっていました。

当時、親会社会計システムのリプレースを検討しており、親会社と同じシステムを海外の全ての子会社にも展開することでガバナンス強化を図る、という構想もあったのですが、全ての子会社に展開となると膨大な時間と費用が想定され現実的ではありませんでした。またガバナンス以外の課題として、親会社報告作業における海外子会社側の作業負荷や、入力ミスといった課題もありました。

課題に対する有効なアプローチを探している中、ディーバさんからDivaSystem Dx3-Advanceのご提案をいただき、ガバナンスと連結決算業務の効率化の2つの観点から導入の検討を始めました。

―それまでは実際にどのようなガバナンス体制を取られていましたか?

本田様 大きく2つの対応を取っていました。1点目は、地域統括拠点に親会社からCFOを送り、そこから各地域の会社を管理するという方法です。しかしCFOには日々様々な業務があり、各拠点の状況を細かく確認することは難しい状況でした。また、ガバナンスのために人数を増やすことは親会社の人的リソース、子会社側の費用負担の問題があり、網羅的にガバナンスを効かせるという点では課題がありました。

2点目は、親会社主導の内部監査手続きになります。弊社では「CAAT」と呼ばれる監査手法を取り入れており、各社から仕訳データを収集、一定の条件に合致する仕訳をツールにより抽出し、抽出された仕訳の内容を現地に往査して確認する、という流れで実施していますが、往査するタイミングで1年分の仕訳と残高データを各社の会計システムから抽出してもらう作業が必要となり、子会社側にとって大きな負担となっていました。

―子会社から受領した仕訳を本社側ではどのように処理していましたか?また、その際の課題はどのようなものでしたか?

本田様 受領した仕訳はAccessやExcelで処理をしていました。しかし、ツールへ投入する前に、入手した仕訳の網羅性・整合性の確認、各社毎に異なる会計システムから出力される様々なフォーマットの整形が必要でした。

また、仕訳の件数が膨大な子会社においては整形作業中にExcelやAccessが固まってしまうこともあり、事前準備において本社側の手間がかかるという課題がありました。

子会社ごとにバラバラな会計システムを変更することなく対応可能に

―そうした課題の解決のためにDivaSystem Dx3-Advanceをご導入いただいたわけですが、導入の決め手となったポイントはどんなところでしたか?

竹内様 一番大きかったのは、DivaSystem Dx3-AdvanceがDivaSystem LCAと直接連携できることにより、子会社側の入力が一部自動化できたことです。親会社としても、会社や勘定といったDivaSystem LCAが保持するマスタが使えるため、運用面でメリットがありました。また、DivaSystem LCAと同じサーバー環境が使えることから、導入前の内部統制などの検討を一部簡略化することができ、セキュリティに対する安心感もありました。

その他、各子会社はそれぞれ異なる会計システムを使っていますが、DivaSystem Dx3-Advanceはどの会計システムにも対応が可能であり、会計システムを入れ替える必要がなかったことも大きなポイントでした。

―ディーバのコンサルティング体制についてお感じになられたところはありましたか?

竹内様 各子会社のデータ取込みにあたっては、各子会社の財務諸表や会計システムの仕組みを分析し、理解する必要がありますが、我々が分析しきれなかったポイントをディーバさんに分析していただけたことでスムーズに進められました。そうした分析能力はさすが長年連結パッケージを提供されている会社だと感じました。

仕訳のドリルダウン機能で子会社への確認の手間も削減

―実際の導入によるプラスの効果はどのような点に感じていますか?

鳥井様 導入してからすでに何度か四半期ベースの決算を終えていますので、提出する財務諸表と連携する仕訳データの見える化は、自然な業務フローとして馴染んできているのではないかと思います。CAATを使った内部監査によるガバナンスにおいても、今までのように監査のためだけにデータを出す必要がなく、すでにデータ化されたものに対して本社側の確認が入る形に変わりましたので、双方にとって理想的な体制になったと思っています。

本田様 ガバナンスという観点では、本社側で仕訳データまで見ることが可能になったことで子会社に対する牽制機能が向上したと見ています。また、月次でタイムリーな内部監査が可能になった点においても、ガバナンス面でプラスになったと思っています。

竹内様 連結決算作業においては、まず子会社側のデータが直接DivaSystem LCAに連携されるようになったことで、パッケージの入力ミスや入力の負荷が軽減されました。また、何らかの異常値や大きな変動が入ってきた場合でも、勘定科目をクリックして仕訳までドリルダウンすることにより、本社側で数値の内容を仕訳ベースで確認することができ、子会社への問い合わせの手間を軽減することができました。
さらに、DivaSystem Dx3-Advanceにデータが集約されたことにより、統一フォーマットで世界中の子会社の仕訳データを横串で見ることが可能になり、本社側で分析がしやすくなりました。

鳥井様 DivaSystem DX3-Advanceでは、子会社の勘定科目を本社連結の統一勘定科目へ変換し、本社側と子会社側で異なる科目体系をシステムの壁を超えて連携してくれます。私は、現在の所属部署では、DX化によって経理業務の効率化を進めておりますが、DX3-Advanceのようなグループ会社間でデータを連携する仕組を上手く活用すれば、例えば、勘定科目統一を通じた業務の標準化など、一歩進んだ経理業務改革に踏み出すことができると思っております。

ニューノーマル時代のガバナンス強化に有効

―貴社のような取り組みを検討されている会社様に向けて、ご経験を踏まえた上であらためて、DivaSystem Dx3-Advanceを導入するにあたってアドバイスをいただけますか?

竹内様 海外子会社のガバナンス強化は多くの会社様にとって大きな課題になっているかと思います。全世界の子会社にERPパッケージを統一導入できればその課題は一気に解決するのかもしれませんが、それができる会社は実際にはごくわずかではないでしょうか。その点、子会社側のパッケージソフトを変更することなく仕訳データが取り込めて、子会社の負荷を軽減できるDivaSystem Dx3-Advanceの導入は大変有効な手段だと思います。

鳥井様 すべてのシステムを変えることに比べれば短期間で導入が可能だと思いますので、時間を買うと言いますか、導入における時間的な負荷の軽減という点でもおすすめできるのではないかと思います。

本田様 当初想定していたガバナンスや効率化といった目的に加え、データが見える形で集約できたという点で、今回の導入は今後のデジタル化推進、データ活用の土台となり得るものとなりました。これは弊社に限ったことではなく、コロナ後のニューノーマル時代におけるガバナンス強化、効率化の観点から、他の会社様にとっても有効なのではないかと感じています。

―最後に、今後ディーバに期待することや拡充して欲しいサービスなどがあればぜひ教えてください。

本田様 制度会計・管理会計だけではなくグループ経営という視点で、これからもより高度に効率的に情報を収集、運用できる新しい仕組みを提供していただきたいです。また、今回のプロジェクトでは導入を見送ったデータ収集自動化の実現のためにも、SaaS型システムといった他システムとの自動連携機能強化など、既存システムの機能強化についても継続して実施いただきたいと思っています。

※取材年月 2020年12月
※文中に記載されている数値など情報は、いずれも取材時点のものです。
※本記事は当社商号が「株式会社ディーバ」当時に作成されたものです。

会社名:KDDI株式会社
設立:1984年6月1日
本社所在地:東京都千代田区飯田橋3丁目10番10号 ガーデンエアタワー
事業内容:電気通信事業
従業員:44,952名(連結ベース)※2020年3月31日現在
グループ会社数:連結子会社数 48社(2021年10月末現在)
資本金:141,852百万円
URL:https://www.kddi.com/
※2020年12月 取材当時の情報です


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