三菱地所株式会社
グループ全体のガバナンス向上につながった海外地域統括拠点への「DivaSystem LCA」導入
導入前の課題
Excelの限界
使い込まれ複雑化したExcel仕訳の解読に時間がかかっていたほか、入力ミスを発見しにくく決算パッケージの手戻りが多く発生していた
スタッフのローテーション
本社から現地に赴任するスタッフが入れ替わるたびに処理方法が変わり、非効率な業務が生じていた
本社からのガバナンス強化
決算パッケージが上がってくるまで本社が海外拠点の情報を得ることが難しく、ガバナンス強化の観点からプロセス改善の必要性を感じていた
導入効果
業務の標準化
グループ本社で使い慣れたDivaSystem LCAを利用することで、海外拠点を含めた業務手順の標準化を実現。決算パッケージの手戻りが減り、業務効率が向上した
ガバナンス強化
決算パッケージを受領する前から海外拠点の数値や決算業務プロセスを把握可能になり、本社が能動的に海外拠点の経営情報を把握できるようになった

- グループ全体のガバナンス向上につながった海外地域統括拠点のDivaSystem LCA導入
三菱地所株式会社は、国内屈指の不動産ディベロッパーとして三菱グループの中核を担い、オフィスビルのプロパティマネジメントを手がける三菱地所プロパティマネジメント株式会社や、住宅事業を手掛ける三菱地所レジデンス株式会社など、国内に多くの連結子会社を持つ一方、海外にも複数の連結子会社を有し、グローバルにビジネスを展開しています。
海外拠点の事業規模の拡大により、Excelによる決算処理が難しくなっていたことや、本社スタッフのローテーションにより処理方法が変わってしまう状況を改善するべく、グループ本社の連結決算業務に利用していたDivaSystem LCAを、2つの海外地域統括拠点(ロンドン、シンガポール)へも導入し、海外拠点の業務効率化のみならず、グループ全体のガバナンス向上につながる海外地域統括拠点管理を実現しました。
そこで今回は、グループ本社にて連結決算業務を担当し、導入に向けて海外拠点スタッフとのコミュニケーションにもあたられた経理部会計ユニットの猪俣良太様に、DivaSystem LCA導入の経緯やその効果、またその効果を受けこれからDivaSystem LCAに望むことなどをお聞きいたしました。
理由は2つあります。まず一つは、海外拠点の事業規模の拡大です。当社では、1986年にヨーロッパ拠点として三菱地所ロンドン社を、2008年にアジア拠点としてシンガポールに三菱地所アジア社を設立しました。設立当初はまだ事業規模が小さく、連結決算業務はExcelで充分に処理できていましたが、その後順調に規模を拡大する中、Excelでは処理のスピードも精度も追いつかなくなってきていました。
もう一つは、人事的な問題です。ロンドン社、アジア社とも、経理の担当者は数年単位で本社から入れ替わりで赴任し、業務にあたっています。もちろんローカルの経理業務スタッフもいるのですが、本社からのスタッフが入れ替わるために現地での処理方法が固定されず、非効率な業務が生じる原因となっていました。
こうした理由から、連結決算業務をシステム化することで、誰が関わっても一定の効率を保てるような仕組みを作る必要性が高まっていました。
長年Excelを使い込んでいたために、仕訳を作成した経緯が不明な開始仕訳が残ってしまいましたね。また、連結仕訳に規則性がなく複数のExcelシートに分割して作成されており、我々本社側も現地のフォーマットを読み解くのに時間がかかってしまっていました。
やはり一番は、当社がもともとグループ本社の連結決算システムとしてDivaSystem LCAを使っており、使いやすさについて理解できていたことです。他のソリューションと比較するまでもなかったですね。今回の導入にあたってもディーバさんにデモンストレーションをしていただきましたが、我々としては復習のような形で聞くことができたので、その点も効率的だったと思います。
現地スタッフはゼロからDivaSystem LCAを覚える必要があり、慣れるまでは大変だったと思いますが、わからないことがあってもサポートサイトがあるので、安心して身につけることができたのではないかと思います。
ロンドンやアジアの決算が可視化されたことで、グループ全体のガバナンスが高まりました。また、導入以前は決算パッケージが出来上がってくるまで現地の数字を把握することは難しかったのですが、今はDivaSystem LCA上で事前に数字が確認できるので、より効率的にコミュニケーションができるようになりました。
現地のスタッフも、システム運用が軌道に乗ってからは、決算作業が非常に効率化されたと実感してくれたのではないかと思います。実際、Excelの時のようなミスもなくなり、報告のクオリティーが上がりましたし、遅れがちだった提出もしっかり期限が守られるようになりました。
距離的に離れた拠点が増えれば増えるほどコミュニケーションは難しくなり、本社が吸い上げられる情報には限界が生じてくると思います。そうした限界をなくす方法の整備は本社として必ずやるべきことであり、その一つがこうしたシステムの導入であると考えています。それはきっと健全な業務の運営につながりますし、連結決算業務のステップやプロセスが見える化され、ガバナンスが高まれば、必ずグループ全体における経営面でのメリットにつながると思います。
「数字的な部分は統括拠点に任せている」という企業は多いと思いますが、ガバナンスの観点から本社も能動的に統括拠点の決算把握に努めなければいけません。そうした中で、地域統括拠点にDivaSystem LCAのような連結決算システムを導入することは、非常に有効な施策であると思います。
お話しした通り、連結決算業務においては一定以上の成果を得ることができましたので、今後はこれを予算管理にも有効活用していきたいと思っています。ただ、ひと口に予算と言っても様々な管理方法がありますので、その中でいかに効率的な管理の方法があるか、そのあたりのソリューションをぜひディーバさんに提供いただきたいと思っています。
- ※取材年月 2020年4月
- ※文中に記載されている数値など情報は、いずれも取材時点のものです。
本導入事例に関連し、ヨーロッパ統括会社のご担当者様視点でのDivaSystem LCAの導入効果についてもお話をお伺いしております。
【導入事例】Mitsubishi Estate London Limited
ロンドンからヨーロッパ全土への事業拡大に合わせ、
サブ連結決算業務の強化にDivaSystem LCAを導入