2006.10.20

第10回 連結決算業務の内部統制対応 II

公認会計士 斎藤 和宣

今回は【決算方針検討・準備】、【データの収集】に続き、【データの処理・加工】に関連してご説明していきます。

収集したデータを処理・加工していく業務の中でも業務マニュアルを整備することは重要になりますが、その中でもワークシート等のドキュメント管理に関する部分は意外と大切なポイントになると考えています。たとえば、連結業務の中でEXCELを利用したワークシートを作成して作業するというケースが多いと思いますが、その場合にはそれら電子ファイルを共有ファイルサーバなど指定された場所に保存する運用が必要になってきます。というのも、たまたま担当者が最新ファイルを自分のPCに保存してしまったりすると、その資料をもとに作業を予定していた別の担当者は、定められた場所に保存されている古いバージョンの資料から作業を行ってしまい、誤った結果を出してしまったり、手戻りが発生してしまう可能性があるからです。

次に、処理・加工された結果を確認する手続きがポイントになりますが、この部分が実はとても厄介な部分かと思われます。つまり、確認した結果その内容が正しいと判断するにあたり、確認ポイントとその判断基準を明確にする必要がありますが、これらを明示的な一覧に整理出来ているケースは少ないと思われます。実情は熟練の担当者や上長にノウハウとして蓄積されてしまっていますので、形式化する努力が必要になってきます。また、この確認作業の中にはシステムに任せてしまうのがよいものも多々あります。たとえば連結処理結果の整合性がとれている(財務諸表間での整合性)ことを確認したり、処理手続上妥当性に欠ける結果となっていないかの確認(連結数値が、資本金のように親会社の個別財務諸表金額になっていることや、少数株主持分のように会社別に見た際にマイナスになっていないことなど)するのが該当するかと思います。また、各社ベースでも連結ベースでも勘定科目の異常な増減を任意の増減比率を設定してアラートをだすこともシステム的に対応するのが有効です。

これまで3回にわたって連結決算業務における内部統制対応について書かせていただきましたが、これから実施基準も公表されさらに本格的な対応が始まると思われますので、今後も適宜触れていきたいと思います。

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