2010.08.24

第105回 (B) 古くて新しいワンカンパニーモデル【ケース・スタディー】

ビジネスソリューション本部 ソリューション企画部長 尾上 徹

1.古くて新しいワンカンパニーモデル
グループ経営は端折って言うと、親会社単体だけでなく子会社を含めた連結グループ全体の効率化を図る経営のことといえます。

今回の題名にある「ワンカンパニーモデル」はこのグループ経営をさらに突っ込んで、その名の通り連結グループを一つの会社考えていくモデルです。

このように書くと「グループ経営の概念と違いないのでは」というご指摘をいただきそうですが、「連結グループを一つの会社としてまで経営できていないことが多いのでは?」という考えから敢えて「ワンカンパニーモデル」としてグループ経営と区別しました。

ワンカンパニーモデルは古くから目指すべきモデルではありますが、IFRSをグループ経営管理の問題と捉えた場合、改めて考えるべきモデルではないかと思います。

2.ワンカンパニーモデルを目指すうえでの一般的な課題
ワンカンパニーモデルを考える上での課題の一つに、親会社の部門が分社化する前後で科目別数値が変わってしまうという課題があります。

例えば、工場が分社した製造子会社の場合、工場の管理部門人件費は製造原価として計上されますが、製造子会社の場合は、管理部門の人件費は一般管理費として計上されます。

これは、工場の分社前後で連結グループとしては何も変わっていないのに、組織形態によって計上される科目が変わり、売上原価や一般管理費といった科目別数値への影響を通じてグループ経営にも影響を与えることになります。

このことは販売子会社にも言え、例えば営業部門が独立して販売子会社になった場合、営業部門の管理担当の人件費は販売費として計上されているのに対し、分社すると一般管理費に計上されることになります。

ワンカンパニーモデルで考えると、これはおかしな話で製造子会社や販売子会社は、連結グループの製造部門(工場)、販売部門と考えるべきであり、この考えでは、製造子会社の部門費は連結グループとしては売上原価、販売子会社の部門費は販売費として計上すべきということになります。

このような課題は一般的に見られることと思いますが、勘定科目も「マネジメントアプローチ」的に考えていく必要があるのではないでしょうか?

3.DivaSystemで実現したワンカンパニーモデル
上記課題への対応としては、部門別に部門費勘定科目を細かく分割する(たとえば人件費を管理部門人件費や販売部門人件費に分割する)のでは足りず、部門費を計上してくる子会社の連結グループにおける役割(分類)に応じて、最終的に連結財務諸表に計上する勘定科目を組み替えるといったことが必要になります。

例)管理部門人件費について
製造子会社の場合 ⇒ 売上原価
販売子会社の場合 ⇒ 販売費
開発子会社の場合 ⇒ 開発費
と組み替える。

しかし、連結子会社は独立した会社ですので子会社から情報を収集する段階でこのような組替は現実的ではなく、連結システムにて処理するのがあるべき姿かと思います。

このような課題に対応するため、弊社のお客様ではDivaSystemにて会社を会社形態(製造会社、販売会社等)に分類するマスタや会社分類別の勘定科目組替マスタによる組替処理といった追加対応にてワンカンパニーモデルとしての連結財務諸表を作成、公表していらっしゃいます。

4.最後に
今回の話は、IFRS適用だからといって必ずしも必要となる話ではありませんし、業態によってもそのまま適用できる話ではないかもしれませんが、経営者の視点から勘定科目を組み替えるというのは、IFRSの趣旨からも考えてみる価値のある話ではないかと思います。

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