2010.09.22

第107回 (A) “モノサシ”と”意志”【経営・会計最前線】

社長室 事業推進担当 鈴木 政光

最近、弊社内で管理者向けの適性テストがあり、10年以上遠ざかっていたと思われるマークシートを大量に塗りつぶす機会がありました。テスト結果のフィードバック内容としては、管理者としての適性や強み・弱みについて5段階のレベルで明示されていました。
弊社のようなソフトウェア企業が限りある貴重な「人財」を適材適所とするための評価・判断を行う”モノサシ”~いわば偏差値みたいなものだな。」と勝手に理解したのですが、結果を眺めながら “モノサシ”についてふと考えてみました。

ここでの”モノサシ”は基準や指標といった意味とほぼ同義で考えていますが、”モノサシ”ですぐに思い浮かんだものとして、マークシートから連想させられた高校・大学受験における「偏差値」、迷走の末に短期間で退陣してしまった某内閣が提唱した「幸福度」、弊社の事業領域と密接な関係がある「IFRS(国際財務報告基準)」及び経営情報システムにおける「KPI(重要業績評価指標)」です。

先日著名な某経営コンサルタントの方が雑誌で偏差値教育について語られており、若いうちから自分のポジションや限界を感じてしまい、自分の能力を見極めてしまう元凶と断じ、偏差値教育から離れた人間が世界で活躍しているという印象深い内容で、二人の小さな子供を持つ立場から、教育の場に厳然とある「偏差値」という”モノサシ”とどのように向き合って彼らを育てていくかと改めて考えさせられました。
「幸福度」については、最初にニュースで耳にしましたが、国が国民の「幸福度」を測るという発想自体に違和感を抱き、「幸福度」という”モノサシ”で評価した次のアクションがどのようなものになるのか、更にはアクションを取った結果、国民は幸せに向かっていくのか、皆目見当がつかないというのが正直な感想でした。その後少し調べてみると、「幸福度」が浮上した背景としては、国の成長戦略を検討する中で、長い間国を評価する”モノサシ”として使われてきたGDPが国民の満足と必ずしも比例しないことや、ブータンの「国民総幸福量」という概念であったようですが、極めて主観的なものである幸福を「幸福度」という”モノサシ”で測ることの違和感は拭えませんでした。ただし、「幸福度」という言葉の定義を明確にし、何を測ってどういったアクションを取っていくのかがわかれば、もう少しすっきりしたのかもしれません。

「偏差値」や「幸福度」はさておき、弊社のお客様に多大な影響を与えている重要な”モノサシ”と言えば、「IFRS」です。連結経営会計の分野を専業とする弊社にとって、「IFRS」へのシステム対応やソリューション提供は義務であることから、自ら「IFRS」への深い理解を得るために、既にメルマガでご紹介しています『自主適用』を実施したところです。

先日、弊社トップの森川と共に外部の方との面会に同席する機会がありましたが、IFRS自主適用の話題となり、その中で印象に残った内容が「知るのとやってみるのは全く違った。毎日経営を行っている中で、IFRSの求めるものと経営の現場感覚とのずれを感じる部分がある。」というものでした。
例えば包括利益について、経営者としてはどうしてもボトムの包括利益に目がいってしまうが、包括利益を意識しすぎてしまうと経営はできないということでした。具体的には、投資リスクの認識に重きを置くIFRSの考え方は自ら価値の生産を担う経営者視点と異なるものであり、価値の生産による1円の営業利益は、投資による1万円、場合によっては100万円の利益と変わらないほど重みがあるということでした。もちろん投資家と目線を合わせることやM&Aのようなファイナンスを活用した事業成長を進める上ではIFRSが大変有効な”モノサシ”であるということを理解した上でのやりとりでした。この点については様々なご意見があるとは思いますが、私自身が感じたこととして、「IFRS」という”モノサシ”が多くのメリットを持つ反面、経営者は自分の事業の性格・特性を考え、自らの”意志”で”モノサシ”をしっかり確立することが大切だということです。また、逆説的ですが、経営者が自らの”モノサシ”を考える上でIFRSをしっかり理解することも重要なのでしょう。

私自身は10年ほどの連結経営会計分野におけるプロジェクト経験を通して、制度連結システムだけでなく、管理連結システムや経営情報活用システムを提供してきました。特に管理連結システムや経営情報活用システムの世界になると、経営者の”意志”が大切な世界であり、連結経営の”意志”を支える”モノサシ”としての「KPI」をどのように設定し、それをシステムとしていかに早く提供して日々の経営判断を支援するかが重要となってきます。
これまでの経験ですと、経営者の”意志”が明確かつ現場が経営者の”意志”を受けて具体的に管理すべき「KPI」に落とし込んでいるお客様ではシステムの導入や定着化が円滑に進みます。明確な”意志”によって”モノサシ”を使いこなすイメージをもっていることが成功要因だと思っています。

最後に、弊社では管理連結や情報活用におけるソリューション提供の機会が増えており、そのノウハウを活かして連結経営の”モノサシ”のご支援を続けていきますので、ご検討の際は是非弊社にお声掛けください。蛇足ですが、自分の幸福の”モノサシ”を自らの”意志”で持つことを忘れてはいけませんね。

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