2006.11.02

第11回 四半期財務諸表に関する会計基準(案)等の公表

公認会計士 斎藤 和宣

11月1日に企業会計基準委員会より「四半期財務諸表に関する会計基準(案)」および「四半期財務諸表に関する会計基準の適用指針(案)」が公表され、12月25日までのコメントの募集が行われます。内容的には、これまでの検討内容から想定される範囲内のものとなっていると思います。

当委員会からの「本公開草案の概要」によれば以下のとおりです。

1)四半期財務諸表の範囲は貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書とし、株主資本等変動計算書は含まれない。
2)損益計算書の開示対象期間は3ヶ月情報と期首からの累計情報を双方の前年同期とともに開示するが、キャッシュフロー計算書は期首からの累計情報のみとする。
3)会計処理は四半期特有の会計処理(原価差異の繰延処理、後入先出法における売上原価修正など)を除き年度決算の会計処理を採用する必要があるが、利用者の判断を誤らせない範囲で簡便的な処理によることができる。
4)注記事項は開示の適時性を考慮して、注記項目及び注記内容の簡略化をしており、セグメント情報や1株当たり情報など必ず記載するものと、会計方針の変更や株主資本の金額に著しい変動があった場合などのように重要な事項のみ記載するものとに整理される。

基準(案)の内容を見た中で、損益計算書については3ヶ月情報と期首からの累計情報の双方を開示する一方で、同じフロー情報であるキャッシュフロー計算書については3ヶ月情報の開示がない点は違和感が残ります。また、当メールマガジンの第1回、第2回で触れた会計期間の取り扱いについては「四半期単位積上げ方式」、「累計差額方式」、「折衷方式」のすべてが容認されることとなりましたが、その条件となる”経済的実態を見誤らせる恐れがない場合”の具体的な基準がないことは比較可能性を損なうおそれがあると考えています。

(ただし「結論の背景」を見る限りでは、累計差額方式を採用する場合には、月単位、あるいは四半期単位での平均レートを用いて換算する、つまり加重平均レートでの換算結果にすることが経済的実態を見誤らせることの回避手段の一つと読み取れます。)

なお、今回の基準(案)は平成20年4月1日以後開始する事業年度から適用され、決算の早期化・効率化も進める必要がありますが、同時期から適用される内部統制報告制度への対応も合わせて行っておく必要があります。

MAIL MAGAZINE

メールマガジン

NEWS

ニュース

SEMINAR / EVENT

セミナー / イベント

セミナー/イベント一覧を見る

お問い合わせ