2010.11.02

第110回 (A) パッケージソフトウェアが消える時?【経営・会計最前線】

GEXSUS推進部長 岡部 貴弘

最近、お客様の情報システム部門とお話しする機会が多いのですが、「クラウドで提供できないの?」「今後のITインフラはクラウド前提で検討している」といった声を多く聞きます。
ソフトウェア業界においても、CRM分野等先行してクラウドコンピューティングを利用したSaaS提供が普及しています。はたして、会計ERP分野においてもSaaS提供が普及しパッケージソフトウェアを購入するかわりにサービスとして利用する時は来るのでしょうか?

連結パッケージソフトソフトウェアを提供する会社に所属している私が言うのもどうかと思いますが、数年後にはパッケージソフトを購入する時代が終焉する可能性は十分にあると思っています。

私が会計ソフトウェア業界に入って20年以上経ちますが、20年前の会計システムは汎用機・オフコンが主流で中小企業はようやくフロッピーディスクを利用したパソコンソフトを使い始めたころでした。
その後1990年代にダウンサイジングをテーマに、クライアントサーバー型パッケージソフトが普及し始め、2000年代にインターネット時代にはオフコンは終焉を迎えたのは皆様ご承知の通りかと思います。
インターネットが普及したころには、ASPサービスとして利用できる会計ソフトも登場してきましたが、主要なソフトウェアベンダーで参入する企業は無くあまり普及することはありませんでした。
理由はセキュリティの問題や機能・操作性と色々ありましたが、一番の問題は提供する側と利用する側の利害が一致しなかったことにあると考えています。
具体的には、会計ソフト未導入の小規模企業向けに月額数千円のサービスを提供することで多くの利用者を獲得できることを前提にしたビジネスモデルでしたが、小規模企業ほど当時のインターネットのセキュリティやWebによる操作性を受け入れられなかったことに原因があるかと思います。

クラウド時代のSaaS提供における利害の一致とはなんでしょうか?利用する側は、好みのサービスを自由に選択し安全に低コストで活用することにあり、提供する側はソフトウェアライセンス収入に見合う収益が確保できることではないでしょうか?
また、当時のASPとは違い、現在のCRMを代表するSaaSの傾向として、中堅・大手企業から普及が始まっており、今後中小企業の利用が進んでいくという傾向があるように思えます。
そのように考えると、我々ソフトウェアベンダーにとっては、まずは中堅・大手企業のクラウド時代におけるIT戦略に役立てる新たなサービスを提供できるかどうかが存続の明暗を分けることになるのではないでしょうか。

新たなサービスの一つとして注目を集めているのがクラウドサービス間のデータ連携です。自由に選択したサービスとサービスをつなぐ、ハブ的機能が新たなサービスとして普及してきたときに、利用者と提供者の利害が一致し、パッケージソフトのみならず自社管理サーバーの終焉を迎える日が来るのかもしれません。

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