2011.02.16

第117回 こどもの頭のできは遺伝?【経営・会計最前線】

カスタマーサービス本部長 竹村 弘樹

「こどもの頭のできは遺伝?後天的?」と子供をもつ同僚から質問され、「50:50」と答えました。こどもの外見、性格、行動をみていると自分にどことなく似ていると感じることが良くあります。しかし、正直どこまでが遺伝なのかよくわからなかったため、おもわず「50:50」と答えてしまった気がします。頭のできは遺伝するものなんだろうか?

遺伝の研究は、19世紀に親の特徴が子の伝わる法則(メンデルの法則)が発見され、今日ではDNA(デオキシリボ核酸)という科学物質に体の特徴が「遺伝子」として書き込まれ、そのメカニズムについても少しずつ分かり始めています。

私たちヒトの体は60兆個もの細胞で構成され、個々の細胞の核に遺伝子いわゆるDNAがあります。このDNAは凝縮されて棒状の染色体を構成し、1つの細胞に必ず46本存在します。遺伝のメカニズムはこの染色体がカギを握っています。こどもは父親の染色体46本が再編成された半分の23本と母親の染色体が再編成された半分の23本をそれぞれ受け継ぎ46本の染色体で構成されます。したがって、こどもは父親と母親の染色体と50%が一致することとなり、これが遺伝の正体です。

この遺伝による影響は外見、身長、体重、筋肉の質(瞬発力、持久力)、味覚、酒の強さ、性格(外向性、攻撃性)、感染症全般に関する免疫力、知能(空間性)等があることがわかってきています。学力については遺伝性のものとして社会と理科、後天的なものとして国語と数学に50~60%影響したという実験データがありますが、知識が遺伝されるわけではありませんので科目に対する興味などの志向が遺伝し、結果学力に大きく影響するのではないかといわれています。頭のできを学力と捉えるならば、遺伝の影響は一部の科目に関する興味から大きな影響があるとするもの、大半は後天的・環境的なものであるとする考えが最近研究者の中で注目している説のようです。

さて、企業組織においても良く企業独自のビジョンや経営スタイル、企業風土などの企業理念のようなものを遺伝子と表現されることがあります。

この企業遺伝子はどのようにして継承されていくのでしょうか。企業理念を暗記することで継承されるのでしょうか。企業遺伝子は行動の根底にある価値観であり、容易に明文化できるものではないため企業理念の標語を掲げただけで簡単に伝えられるものではありません。これらは日々発生するさまざまな事象、特に各種の困難な状況下(例えば、顧客からのクレームの対応、納期遅延、品質問題、業務運営上の混乱など)において、上司が、先輩が、そして会社がどう対応するかその目で見て、その行動に参加することで徐々に次世代に継承されていきます。

この企業遺伝子のできについて考えてみますが、生物と同様に企業の目的を「永続」とした場合、「企業理念」は遺伝メカニズムになくてはならない存在ですが、企業理念はあくまで遺伝メカニズムの一つにすぎず、その企業理念を長期にわたって全社的に貫くことが最も重要です。しかし、企業理念を長期にわたって貫くうえで環境の変化に対して自身を変革・革新・進化し適応するのは容易ではなく、ここに真の困難があると思います。このことから企業遺伝子のできは、最も厳しい事実を直視し、その意味を考えて行動することができるかどうかがということではないでしょうか。

弊社も、外部環境の変化によりさまざまな苦難がありますが、永続的なお客様への貢献をめざし、日々愚直に企業理念の実践をしてまいります。

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