2011.03.02

第118回 のれんと味(アジ)【経営・会計最前線】

商品開発本部 連結会計システム開発部長 森 真平

今、開発部門では、本年度下期(11月末頃?)に予定のDivaSystemの開発計画を策定中です。
既に公表させて頂いているとおり本バージョンはIFRSアドプション版としてリリースする予定です。開発にあたっては、IFRS対応が中心となるのですが、お客様の声を取りこむべく、ご要望ランキングを作成したり、IFRS先行適用を検討されているお客様を数社訪問させて頂きながら開発スコープを検討中です。
今回は、その検討過程の中で思いついた戯言を若干書かせて頂こうと思います。(なお、下記内容は個人的な私見(戯言)であることを予めご了承ください。)

上記のような経緯の中で、連結会計システムに必要なIFRS論点を検討しています。その中で難しいと感じるのは、やはり資本連結で、特に資本連結の対象範囲、換言すると非支配持分に按分される純資産の範囲です。
日本の実務でも昔から、持分推移表(持分計算表)に含める範囲はお客様によって2通りの考えがあって、弊社DivaSystemの仕様のようにAJE仕訳までであったり、未実現損益などのELE仕訳も含むとの見解もあったりします。もちろん、持分推移表にどこまで含めるのかが本質的な問題ではなく、その背景となる考え方、少数株主持分には何が分配され、あるいは負担すべきなのかの考えと整合性をもつべきではないかと考えます。

我が国の実務の中で上記、明確に明記されているものは無く、例えば固定資産の未実現損益消去について売却会社の持分率が変動した場合、弊社DivaSystemでは少数株主持分が負担する金額も変動するとしてBS科目の金額を変動させ相手勘定科目として少数株主持分損益も変動させていますが、この少数株主持分損益は、のれん、売却損益修正、持分変動差損として処理されている会社も古くからあります。つまり、この会社は、資本連結の対象範囲を個別財務諸表、AJE仕訳、ELE仕訳すべてを含んだ純資産として捉えています。その考えに立脚すると持分推移表もELEまで含めたレポートになるのだと思います。
ところで、資本連結の対象範囲にELEを含めた場合、追加取得の場合はのれんとなりますが、未実現損益は、のれんの金額に影響されるのでしょうか?
そう言えば、連結上認識される「のれん」は昔は連結調整勘定と言いました。投資と資本の相殺消去の結果、差額が「のれん」であり、考え方としても投資会社は、未実現損益を控除した会社の価値に対して投資しており、のれんは差額でもあるので、その未実現金額相当分についてものれんの一部を構成すると考えることができました。この考え方は同時に「のれん」は投資会社のものとの考え方と整合するのだと思います。

ところが、現在の日本基準、IFRSはともに「のれん」は「支配プレミアム」を含めて被投資会社側で認識します。またIFRSでは、のれんは被投資会社の公正価値と簿価との乖離と「支配プレミアム」とされます。
未実現損益は被投資会社の公正価値に全く影響が無いため、支配獲得時ののれんの算定には、未実現損益は考慮されるべきでは無いとの考えが成り立ちそうです。

と言った戯言を考えていると 前回書かせて頂いたメルマガと若干被るのですが、非支配持分に按分する対象は、子会社の公正価値であり、分配可能な残余財産まで含む。具体的には個別財務諸表とAJEまでを含めてELEは含まれないというのが良さそうです。

そんなことを考えながら、週末に南房でアジを釣っているのが楽しい今日この頃です。

MAIL MAGAZINE

メールマガジン

NEWS

ニュース

SEMINAR / EVENT

セミナー / イベント

セミナー/イベント一覧を見る

お問い合わせ