2011.06.08

第124回 (A) 初めの5分と、終わりの5分【ディーバ哲学】

取締役 沖野 元司

皆さんは、初めてのお客様(取引先)とお会いする時、どんな気持ちで臨まれますか?
異性との初めてのデートにも似た、期待と不安でしょうか?もしくは、見知らぬ人との新たな出会いということで興奮されるのでしょうか?

私は、現在も含め「営業」という仕事に20年以上従事してきました。その中で、お客様との初回面談の重要性を知りました。
お客様との初回面談は、これが最後の面談になるかもしれないという覚悟を持って、与えられた時間内に精一杯の相互理解を促し、その結果として、自分自身・自社・自社商品の価値をお客様に感じていただくことが目的だと信じています。WIN・WINの関係を築けるかどうかも、実はこの初回面談からすでに始まっていると言ってもよいでしょう。
私は「営業」のイロハ的な教育は受けたことがなく、ほぼ全て我流で活動してきました。「営業」として、自社・自社商品に客観性を保ちながら自信と誇りを持ち、初めてお会いするお客様に対して、「お役に立てるはずだ」と確信しながら必死で提案をしてきました。

その中で、いろんな失敗・成功を繰り返してきましたが、お役に立てるはずのお客様に対して自分自身並びに自社・自社商品をご理解いただく前に商談が終了してしまうことも多々ありました。
そして、失敗の理由の一つとして、 初対面の「印象」というものがあることに気付きました。せっかく良い提案であっても、この「印象」によってもったいない結果に陥ることがあるのです。

「印象」を形作る重要なポイントとして「初めの5分(実際は時間差あり)」があると思います。お互いに一度も会ったことのない人間同士が会うのですから、必ず何らかの緊張状態が形成されます。特に「営業」の場合はお客様に呼ばれて、もしくはこちらからお願いしてお会いしに行くわけですから、お客様がこちらを値踏みするために待ちかまえているように感じるわけです。そういう意味では、お互いの緊張というよりも「営業」側の緊張の方が大きいと言えるかもしれません。実際私も、この年齢になってもいつも緊張しています。

お客様は「営業」と会った瞬間に「営業」の外見・話し方・態度などに対してご自分なりの「印象」を持ちます。また、「営業」側も同様にお客様への「印象」を持ちます。と、同時に「営業」側は自身がアピールしたい自社・商品・提案等々をいかにして魅力的且つ正確に伝えるかということに集中し始めます。本題に入る、もしくは入ってすぐの段階です。
私の経験において、ここで大きなポイントがあることに気付きました。
お客様が抱いた「営業」に対する「印象」の予測と、「営業」が抱いたお客様への「印象」、更には事前に入手しているあらゆる情報を瞬時に頭の中でミックスし、適切な「刺激」をお客様に与えることが必要であるということです。
この行為が適切に行われると、その後の面談・提案等を通じて、最初の良い「印象」の先にある本質を自然と感じていただけるものになるのです。最初の5分と適切な刺激によって、互いの「印象」という、実は後々まで引きずる重要な要素を作り上げてしまうのです。

その後緊張感がほぐれ、ざっくばらんな話や提案内容まで進んでくると、その場の面談内容や元々の期待等に対する評価が入ってきます。一般的に初回面談は、1時間~2時間程度ですから、70%程度の時間が経過すると、その面談の最終局面に入ってきます。ここで、最初の出会いから”おぼろげ”と作られた「印象」を背景に、話の中身と時間の経過を通じて次につながるかどうかの評価段階に入ってきます。

「営業」は次回面談のテーマ設定を行い、こちらへの期待値を確認しようとするわけですが、ここで「営業」はもう一度面談の中に適切な「刺激」を与えることが重要であると思います。面談の中で感じた懸念や疑問は正直に訊ね、または自身がお客様の役に立つはずだとの確信がある場合はその根拠をお伝えするべきです。これが最後の5分の役割ではないかと思うのです。

今回は、初回営業面談において、最初と最後が肝心であるというお話をしましたが、特に最初にお客様に与える「印象」は大きいと思います。その「印象」に対する評価が高ければ高いほど、その評価・期待値を下げず、最後まで価値を感じていただくことが当社の「営業」の使命であり、また「営業」という活動の本質であると信じています。

お客様から、自身・自社を指名いただいた際には、その後いろんなことが待ち構えているにせよ、初めてお会いした際の良い「印象」が永続的なものになるよう努力することが最重要であると感じています。
※「営業」は、一般的に使われる「セールスマン」という狭い意味ではなく、お客様と接する全ての人を指しております。

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