2011.06.22

第125回 (B) 図解思考が近道【ディーバ哲学】

第三事業本部 ビジネスソリューション部 シニアマネージャ 佐藤 直樹

4月に新卒社員が入社して私の所属部署にも2名配属されてきました。彼らと徐々に仕事をする機会が増えてきて、私もふと、自分がディーバに入社したばかりの頃を思い出し、「自分はどうやって連結会計まわりの知識を覚えたか?」ということに思いを巡らせてみました。

私が中途でディーバに入社したのは、10年ほど前で、「会計ビッグバン」と呼ばれた連結ベースの開示やCF計算書/税効果会計等の制度変更が行われた頃です。今では200名を超える社員がいるディーバも当時の社員数は20名程度でした。世間一般の会計を取り巻く環境もディーバの状況も今とはまったく異なり、隔世の感があります。

入社当時、私自身は恥ずかしながら会計知識は全くないド素人でした。それでも、参考書などで自習し、DivaSystem導入プロジェクトなどの経験を経ながら、何とかシンプルなケースでの連結貸借対照表/連結損益計算書の作成はできるようになりました。ただし、CF計算書に関しては、「腹に落ちた」というレベルの理解には至らず、業務ではごまかしながら対応していたのが実態でした。

当時の私の主要業務は、決算時のQA対応を行うサポート担当である一方、お客様からの質問事項の大半をキャッシュフローが占めていたため、キャッシュフローの知識がないというのは致命的でした。そこで上司に相談したところ「手で図(精算表)を書いて考えろ」というアドバイスを受けました。「手で図を書くとは面倒だ」と思いながらもそれ以外の方法も思いつかず、お客様から質問があるたびに、その質問の内容を図に書いて考えるということを繰り返し行いました。

実際にどのような方法かと言えば、キャッシュフローを作るのに必要な2期分の貸借対照表データと2期目の損益計算書データを手で作り、それらのデータの増減を見ながらキャッシュフローがどうなるべきか、というのを考えるというやり方です。また考える際に、一度に複数の取引で考えると混乱するため、データも限定して図を作成します。例えば「導入担当者から、未払金でも固定資産に関する未払金は科目を分けないといけないと聞いたのだが、マスタはどう設定すればいいか?」といった質問が来たら、固定資産の取得と未払金(設備未払金)だけに絞って2期分のデータを作って、その時のキャッシュフローを考えてみるというやり方です。

貸借対照表/損益計算書を作成し、キャッシュフローを考えるという作業を繰り返し行っていたところ、徐々にどのように財務諸表がつながっているのかの理解が進み、ある時期からは、キャッシュフローはどちらかというと得意な分野にまでなりました。

恐らく学生の頃から会計を勉強してきた方からみると、このような地味なやり方というのは想像すらしたことがないかもしれませんが、会計のド素人であった私には一番適した方法だったように思います。

その後のことですが、2007年に会計関係の書籍でベストセラーとなった國貞克則氏の “財務3表一体整理法” も同じようなやり方で会計の勘所を説明されていましたし、また、2002年から開催している弊社の連結会計実務講座でも、資本連結の親持分と少数株主持分の動きを図解で解説するというやり方を行っており、ともに会計初学者からは好評を得ているようです。

ひとたび会計のプロとなった経理担当の方にとっては当たり前のように思える会計原理であっても、まだ会計に携わって間もない若手や、会計システム導入などでプロジェクトに参加している他部署のメンバーの方などには、なかなか理解が難しいことが多いと思います。その際、大抵のケースでは「まずは簿記2級から」という形で簿記の勉強から入ると思いますが、仕訳作成が主になるような学習形態は、やはり初学者には「わかっているのかわかっていないのかがわからない」というような辛いものになってしまうケースが多いと思います。

その点、上記のような、図を書いて会計のつながりを理解する、というやり方はイメージとして理解できることから理解が進むケースが多いと思います。
身近な新人や会計の初学者に、そのようなやり方をお勧めされてはいかがでしょうか?

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