2011.08.31

第129回 (B) 「お客様にとって最善のサービス」とは?【ディーバ哲学】

第一事業本部 ビジネスソリューション部長 山崎 恒

「お客様にとって最善のサービス」とはどのようなものか?と日々考えている中で、少し前に「アドボカシー・マーケティング」という考え方に触れました。
アドボカシーは本来「支援」「擁護」「代弁」といった意味を持つ言葉ですが、「アドボカシー・マーケティング」とは、例え一時的には自社の利益に反しても、「顧客にとっての最善」を徹底的に追求することで、長期的な信頼を得ようという考え方であり、企業の顧客に対する積極的な情報開示や献身的な姿勢、取り組みを指します。例えば、自社製品が他社製品よりも劣る場合は、自社製品よりも他社製品を正直に勧めるくらい、顧客に対して透明かつ誠実に対応するべきである、という考え方とされています。

一見、「顧客志向」「顧客主義」、あるいは「損して得取れ」といった考え方と同様の考え方と感じてしまいますが、「一時的には自社の利益に反しても」「徹底的に」という点を踏まえた多くの事例を知るにつけ、「真に顧客側に立つ」という意味を深く考えさせられました。

関連書籍にこの考え方に沿った多くの事例を見ることができますが、象徴的な事例として、『ある有名百貨店のスーツのセール期間中、「好みの色のスーツがない」と不満を言ってきた顧客に対し、販売員は、同地域の自社の支店の在庫がすべて売り切れていることを確認した後、近隣のライバル百貨店で顧客の望む色のスーツを見つけ、通常価格で買ってきて、自店のセールス価格で販売した』、という話が紹介されることが多いようです。確かにこの販売員の行動は、自社にとっては不利益となる最悪の行動のように見えますが、長期的なスタンスに立ち、信頼を得るという点においては、示唆に富んだ行動だと言えるでしょう。

このような考え方が生じた背景としては、インターネットやソーシャルメディアの出現により、顧客が自社や競合他社におけるあらゆる製品・サービスに関する情報やクチコミ情報までも簡単に入手できるようになってきたことが挙げられています。
自社に都合の良い情報だけを寄せ集めて発信したり、自社製品やサービスに多くの「◯」が付くように恣意的に作られた意味のない比較表などは、顧客には簡単に見抜かれてしまい、隠したり、誤魔化してもすぐに明るみに出てしまう環境であるということです。このような環境を前提とした場合、欠点も含めて自社情報を徹底的に開示し、真に顧客視点に立ったサービスを徹底し、顧客の信頼を獲得していくことを第一義に考えるべきなのかも知れません。

もちろん、このような考え方を真剣に実践するには、特定の分野・ニーズにおいては、協業他社以上に優れた製品・サービスを提供できることが前提であり、少なくても同程度以上でないと、自社製品サービスを顧客に勧めることができないこととなってしまいます。よって当然のことかも知れませんが、顧客の求めるニーズに合致した高品質の製品・サービスの提供への注力に関しては、ビジネスの基本として努力しつづける点を忘れずにいる必要があります。
自社製品・サービスに磨きをかけ、自信があるからこそ、すべてを曝け出すことができ、すべてを曝け出すからこそ自社製品・サービスのレベルを高めなければならない、というどちらが先というわけではなく、どちらにせよ強い信念と覚悟を持って取り組まなければならないと改めて強く感じました。

これからも、弊社では自社製品・サービス品質を磨きつつ、お客様にとっての最善を徹底的に追求していきたいと思います。

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