2006.12.01

第13回 税制の見直し~減価償却制度~

公認会計士 斎藤 和宣

近頃、新聞やテレビなどで政府税制調査会における2007年度税制改正の内容が取り扱われています。11月30日付の日本経済新聞掲載の記事によれば今回の改正の概要は以下のように記載されています。(抜粋)

1)経済活性化への対応

•減価償却制度=損金算入額を設備投資額の95%までとする償却可能限度額を撤廃
•同族会社の留保金課税=さらなる見直しを検討 など
2)新しい法整備への対応

•三角合併の解禁への対応
•信託制度改正への対応 など
3)国民生活の関連税制

•金融所得課税=上場株式の譲渡益や配当の軽減税率は2007年度の期限切れとともに廃止。金融所得は一体課税の方向。
•個人住民税=引き上げを検討すべき など
この中でも企業会計に影響があると思われる減価償却制度の見直しについて考えてみたいと思います。

一般的に企業会計においては、減価償却の方法(償却方法、耐用年数、残存価額)は税法に従って処理しているケースが多いと思われます。そうした場合今回の税制改正が実現すれば、当然ながら税法基準で処理していた会社は減価償却の方法を変更する(全額償却)ことが予想されます。そこで考えてみたいのは税制の変更によって固定資産の評価額(減価償却費)が変わってしまう税法基準での処理は企業会計として本当に正しいのかという疑問点です。

そもそも減価償却は、一定のルールに従い取得時に要した費用を一定の期間を通じて費用計上する方法であり、企業会計上は必ずしも税法上の償却期間、残存価額(通常取得価額の5%)で行う必要はありませんし、理屈上は税法に縛られない会計処理の方が経済実態を示すためには適していると思われます。一方で、実態に合わせて減価償却を行う(資産の費用化をする)ことは、企業の恣意性が入りやすい処理となりがちで、減価償却の方法を頻繁に変更するケースや、一括償却をしたり、多額の資産処分を特定の会計期間に実施したりするなどのケースもあると思われます。

そう考えると、税法だけに従った会計処理は恣意性が入りにくく、企業間の比較可能性を高めている可能性もあるのかもしれません。この問題、みなさんはどう思われますか。

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