2011.11.22

第135回 (A) Japan Remains as No.1【経営・会計最前線】

取締役財務担当 春日 尚義

約25,000社。このデータは、今から3ヵ月ほど前に日本を代表する某信用調査会社が発表したものですが、一体何の社数のことかお判りになりますか。「信用調査会社か。ならば今年に入ってから倒産した企業の数では」などとお考えになられた諸兄姉は、幾分悲観的になり過ぎていらっしゃるかも知れません。

実はこれ、2011年7月末の時点における、創業100年以上の日本企業(個人営業、各種法人含む)の数だそうです。そもそもは、先日、弊社の役員全員が企業の在り方を再確認する目的で行った合宿が契機となり、その後に、弊社のビジョン「100年企業の創造」にある100年企業の具体的なイメージを追い求め、自宅であれこれネット検索している内に偶々行き着いたデータなのですが、正直、私もこれほど多いとは思いませんでした。けれども、興味に任せて調べ続けて行く内に、この程度のことで驚いてはいけないことが判って来ました。

例えば、今から3年ほど前に、韓国の中央銀行である韓国銀行がまとめた「日本企業の長寿要因および示唆点」という報告書によりますと、世界で創業200年以上を誇る企業は、当時で約5,600社あった様ですが、何とその内6割近い、3,000社以上が日本に存在しており、長寿企業の数において日本は断トツで世界ナンバー1の地位にあるとのことです。それだけではありません。驚くなかれ、日本には創業500年以上の企業が32社、1000年以上存続している企業が7社もある様です。因みに、ご存知の方もいらっしゃるかとは思いますが、ギネスブックで世界最古の企業として認定されているのは日本企業ですし、その創業は、蘇我馬子や聖徳太子が生存した飛鳥時代、欧州では東ローマ帝国の前期、中国では南北朝時代の頃にあたります。また、世界第2位と3位の長寿企業も日本に存在します。
こうした長寿企業の大半は同族で株式も公開しておらず、どちらかというと、企業と言うよりは個人商店の色彩が強いらしいのですが、弊社などより何十年も前に株式上場を果たし、既に多くの人々にその企業名やブランドを認知されている企業もありますし、その中には弊社のお客様もいらっしゃいます。

どうして日本には世界で一番長寿企業が多いのでしょうか。外国からの侵略が少なかったという日本固有の歴史的背景もある様ですが、例えば既出の韓国銀行の報告書では、その理由として、「本業重視」「信頼経営(連邦型の経営を行って、現場の人々の判断を大切にするという意味)」「透徹した職人精神」「血縁を越えた後継者選び」「保守的な企業運用と資金調達」などと分析しています。実際に幾つかの長寿企業の社訓や社是を拝見したところでは、表現の違いこそあれ、上に挙げられているようなことが謳われている様に感じました。また、大変興味深く思われましたのは、それらの企業が何れも伝統を重んじる一方で、常に新しいことに挑戦し、変化を厭わない姿勢を持ち続けなければならないと指摘している点でした。

バブル経済の崩壊以降、急速なグローバル化とIT化が進行する中で、多くの日本企業が企業存続のために取るべき行動や施策のヒントを、先進的な欧米企業の経営手法に求めて来た様な気がしていますが、むしろ、これまで何百年に亘り幾多の困難を乗り越えて来た企業経営のノウハウや不倒の秘訣が、実は世界中のどこの国よりもこの日本に一番蓄積されているのではとの気がしており、「燈台もと暗し」とは正にこのことなのではないかと感じています。

日本には100年企業が25,000社もあると聞きますと、「100年企業の創造」という弊社のビジョン達成は、それほど高いハードルでもなさそうだと、ついつい甘く考えてしまいますが、ある研究家によりますと、創業間もない企業が100年以上存続する割合は、10,000社につき3社ほど、つまり僅か0.03%程度の確率にすぎないとのことです。やはり、100年企業は弊社が求める崇高な未来像であり、その具現化を図ることは、全身全霊を持って臨む挑戦であることを改めて認識しました。今年設立15年目を迎えたにすぎない弊社にとり、まだまだ長く遠い道のりではありますが、多くの先輩企業が残してくれた数々の教訓を道標にして、100年企業の仲間入りをすべく邁進して行きたいと思います。

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