2011.11.22

第135回 (B) 改めて感じる難解で極めて重要なもの【経営・会計最前線】

事業管理本部 戦略情報システム部長 吉竹 昭人

めっきり秋深くなってきて、物思いにふける時間が増えてきた今日この頃です。

先日、動物もののテレビを見ていて、ふと思ったことがあります。
きちんと調べてはいませんが、脊髄動物の多くは恐らく100%歯があります。
獲物を捕らえる、食事をとる、攻撃するというように目的は同じでも、その生態に依存して、全く異なる形状だったり数が半端なく違っていたり、今まで漠然と見ていたものが面白いものに感じました。

動物は、健康に生きていくため、成長するため、子孫を繁栄していくため、という目的のために、手段として必然的に形を変えて進化することを選んできたのでしょう。
一番わかりやすいのは、人間の”親知らず”は、どうしてあるのでしょうか?という疑問です。
進化?退化? 人間の頭部の骨格は進化したが、歯の本数だけは進化しなかった、ということが定説のようですが、生えない人、綺麗に生える人、変な方向に生えてダメージを受けてしまう人、色々いるようですね。

一方、企業経営や組織運営や進化しているビジネス環境においても、老朽化してしまったビジネス、組織、環境、技術は、また健康になるために治療をしたり、抜いたりしますので、歯の健康維持と同じです。

歯の進化と健康、企業の進化と健康。
いつも思うのですが、自然の摂理とビジネスは本当に似ており、経営そのものだと再認識しました。

話は変わりますが、未曽有の東日本大震災直後、各企業で一番注目されたのがBCP(business continuity plan:事業継続計画)の見直しではないでしょうか?
災害時の一番重要なのは人命なのは揺るぎないものですが、弊社のようなITビジネスの企業でなくとも、事業継続に対するITの影響、重要性について改めて不安を感じたものと思います。
同時期の企業IT動向調査2011によれば、データセンタ化は44%の企業が実施、31%の企業が検討、さらにクラウドコンピューティングは、13%の企業が導入、46%の企業が導入を検討していると報告が出ています。(2011年5月)
BCPの見直しによる「備え」の意識は当時がMAXであり、現在は収束気味である、という声も、お付き合いさせていただいている企業様から伝わってきています。

しかし、関東地方もM7規模の地震の可能性があるという指摘や、東海・東南海・南海連動型地震の切迫性への指摘も消えておりません。

ITビジネスの潮流として、データマネッジの重要性が今後高まると確実視されている中でもあり、既にBCPをある程度実現されている企業様、未実施の企業様も、弊社も含めてさらに意識を高めていくタイミングだと思っています。

しかし、ここで難問があります。
携われた方は肌で感じていらっしゃると思いますが、BCP見直しの活動の中で、例えば多くの企業様で行われている”情報のデータセンタ化、クラウド化”について、どういう場所、環境が適切なのか、何が正しい姿なのか、意思決定する材料の妥当性の判断が難しいことです。

備えがどうであれ、結果的に”効果が解るのは災害時”なのです。
B to BにせよB to Cにせよ、予想できない被災時のビジネスリスクを考え、ビジネスが止まること=当該企業的にも社会的にも損害が発生します。
そういう意味では、その予想される損害と投資コストの比較しかないのですが、はじき出した数字の妥当性は?と問われると、それは業務改善を目的とした投資とは違い、単純でかつ難問です。

もちろん、環境整備への巨額な投資をすれば、強固な環境の下でビジネスの継続が可能にはなりますが、予測のつかない自然災害に対して、どこまで投資していいものなのか、一般論としても賛否両論だと思います。

企業が社内外とコミュニケーションを取る環境をのみを担保することに限定したとしても、データセンタを利用するのかクラウドサービスなどを利用するのか、モバイル環境を強化するのが先なのか、など選択肢も増えてきますし、情報セキュリティの観点、社内の他の資産・オペレーションとの関係など、懸念すべきことも多く出てきてしまいます。

本当に難しく、そして極めて重要な検討課題だと考えています。

文頭で申し上げた通り、動物の歯は進化の結果であり、生きていく過程で重要です。
同様に、企業の進化の過程におけるBCPの見直し、それに伴う災害対策への取り組みは、難解であり極めて重要なものと痛感しておるこの頃です。
参考サイト:一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会

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