2012.01.25

第139回 (A) 並行収集はIFRS導入のエアポケット【経営・会計最前線】

第二事業本部 ビジネスソリューション部 マネージャー 山本 陽昭

IFRS導入に当たって、IFRSでの決算をどうやって実現するかについては、どの企業も熱心に考えられることと思います。しかし、IFRSのことだけを考えているがゆえにIFRSでの開示を行う前の期間への対応について、エアポケットが生じていることはないでしょうか。

さて、エアポケットの正体を語る前に、今回はメルマガへ初めて寄稿することになりましたので、先ずは簡単に自己紹介を致します。
ディーバでは、グループ会社から連結決算のための情報を集めることを「収集」、あるいは「情報収集」と呼んでいます。(*下記参照)
私は長年この「収集」分野をメインにお客様とお付き合いさせていただいています。本稿ではIFRSにおける「収集」に関して、私の知見をご紹介する内容となります。

それでは、本題に入りましょう。最近、IFRSの導入に関するご相談を受けることが徐々に増えてきました。私の場合は、IFRSにおける「収集」に関するご相談を受ける機会が多くあります。「IFRSの収集」をどう行うかについては、別の機会に譲ることとしまして、今回は特にJGAAPとIFRSの並行収集についてお話ししてみたいと思います。IFRSの初度適用を考えていくと、IFRSでどういうデータを収集するかは決まったが、JGAAPとIFRSの並行収集はどう実現すればよいのかという課題に行き着きます。これは、案外IFRS導入のエアポケットになりがちだと思います。

ご存知のようにIFRSの初度適用においては、「IFRSへの移行の影響に関する説明」と「調整表」の作成が求められます。さらに、財政状態計算書については移行日の開始財政状態計算書、前年度、当年度の3期分の開示、包括利益計算書は前年度と当年度の2期分の開示のためのデータを作成する必要があります。これらの開示を行うためにデータを収集することを考えると、結果的に、2年間程度のJGAAPとIFRSの並行収集期間が発生することになります。

JGAAPで開示しつつも、IFRSの過去データ作成のためにJGAAPとIFRSの両方のデータを並行収集する期間に関しては、以下のような課題が発生します。

  • グループ会社へのIFRSに関する教育をどのようにして行うか。
  • グループ会社のデータ入力の負担をどのようにして下げるか。
  • 親会社において、JGAAPとIFRSの連結決算をどのようにして効率よく実施するか。

これらの課題を解決する方法の1つが、システム上のデータ収集画面(Excel等で収集している場合には収集パッケージなど)における表現の仕方となります。全てのグループ会社が上記の課題に対して同じような障害を持っているのであれば、テンプレートを作れば対応も容易にできます。けれども、課題に対して障害になる内容は各社各様です。

例をあげますと、

  • 様々な業種の企業グループであるため、収集画面がたくさんある。
  • 制度連結と管理連結を同時に実施しているが、管理連結もIFRSベースへ移行する。
  • 各社固有の論点として、固定資産・金融資産の減損調査等、製社と販社間の棚卸資産の調査等、内部取引照合の仕組等・・・

など枚挙にいとまがありません。こうなると、企業ごとにどこに重点を置いて対応するかを検討する必要があります。その上で、「収集」の仕組みをどう表現するか検討する必要があります。
現在、私は柔軟な表現力を有したEIGSという製品を中心として、並行収集への対応に取り組んでいます。IFRSへの対応よりもこの並行収集への対応の方が難易度が高いと感じています。ある程度事例が増えてきましたら、別途ご紹介できればと考えています。
IFRSの導入を検討されている方は、ぜひご相談ください。


(*)その他に、連結財務諸表等を作成するための自動処理を「処理」or「プロセス」or「エンジン」と呼び、処理の結果等を確認する帳票類を「帳票」or「レポート」or「アウトプット」と呼び、データの入力と処理と出力の3段階を呼び分けています。

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