2012.02.22

第141回 (B) 問題解決のアプローチについて【ディーバ哲学】

カスタマーサービスユニット カスタマーコミュニケーション部 マネージャー 一瀬 章広

もう10年以上前のことになります。私が前職でプログラマーをしていた頃に、作成したプログラムが想定通りに動かず、「何でこうなるのだろう」としきりにつぶやいていた時に、当時の上司に言われた印象的な言葉があります。

「あたり前でしょ。そうなるように作っているからだよ。」

当時は「なんてドライな人なのだろう」と思ったものです。

しかし、改めて「そうなるようになっている」という視点になって考え直してみると、なるほど、それまではただうまくいかない理由に首をかしげるだけでしたが、次第に頭が整理されて、何をどうすべきなのかがよく見えてくるようになりました。それ以来、何らかの解決すべき問題が発生したときには「そうなるようになっているから、結果もそうなる」ということを前提に、物事を冷静かつ客観的に見て、そこから逆算して大元の原因にアプローチしていくという方法を意識して行うようになりました。

DivaSystemの保守サポートを長年行ってきた過程においても、そのようなアプローチを取ることが有用だと思われる場面があったことから、少しでも皆様のお役に立てればと思い、私が問題解決のために普段心がけ、実施していることをいくつか記載いたします。


【不可思議・不可能という考えの排除】
まず最初に行う作業としては、なんらかの問題に際して、それが「不可思議なもの」という考えをできる限り排除するということになります。例えば、保守サポートの現場において、それまで経験したことがないような数値の不整合やエラーメッセージについてのご連絡があった場合に、大抵はその事象が「不可思議」でかつ「不可解なもの」だと定義されてしまいます。それ自体は仕方のないこととしても、いったんそのように定義してしまうと、それがとても解決不可能で困難なものであるという考えに支配されがちになり、結果として問題解決からますます遠ざかってしまう要因になる可能性があります。そこでその事象は「なるべくしてそうなっている」ものであるというように定義し、正しい手続きを踏めば「解決可能な問題」であるというように、考え方そのものを意識的に変化させていきます。そうすることである種の冷静さと余裕をもつことができ、合理的な考え方に頭の回転がシフトするようになります。


【問題を浮き彫りにして目視化する】
なんらかの目的をもって想定どおりに物事が進むように作成したものには、そうなるための筋道が引かれているはずであり、逆に言えば想定どおりに物事が進まない場合には、そのどこかで必ず問題が発生していることになります。数値の不整合やシステムエラーを確認する場合には、どこのタイミングまでが正常値でどこからが正常値でなくなったのかをレポートやログなどから見極めることになりますが、どのようなケースでも問題の発生箇所を特定するため、大まかな範囲から徐々に検索範囲を絞っていって、実際にどこに問題点があるのかを浮き彫りにしていくという(ある種地道な)作業が必要になってきます。

一方、この作業の過程でその問題が目に見えず表面的に見つからないものの場合は、検索範囲を大まかにしぼったうえで、ある種の「刺激」を与えることになります。変化を与えることで問題点が浮き彫りになるかどうか、目視できるようになるかをテストするというものになります。丁度ホースから徐々に水がもれている場合に、いくつかのポイントを思い切って足で踏んでみて、その漏れがもっとも多い箇所を重点的に確認するような作業となります。(極端な異常値をマスターに入力して問題点を浮き彫りにしたり、わざと通信スピードを落とすために低速ダイヤルアップで事象を見てみたりするなどの極端な変化を自端末で確認してみるなど。)


【一つの対処方法のみにこだわらない】
問題点の発生箇所がある程度浮き彫りになれば、それに対してあとはどのような対応を取りうるかを検討することになりますが、その制約条件によって対応が変わってくる場合があります。先の例だと抜本的な対策としてはホース自体を変えてしまうことですが、替えのホースが常に家に常備されているとは限りません。また交換のための時間的な余裕も費用もない場合は、発生した箇所の穴をテープでふさぐなどの応急処置が取られるかもしれません。テープがなくそれもできない場合は水を出すのではなく、ご近所様から水をお借りすることになるかもしれません。子会社様とのやりとりで時差がある場合やなんらかのインフラなどの制約によって直接の問題解決ができない場合は、優先対応する順番やその手段自体を変えるなどして、直接的にではなく間接的に問題を解決するというアプローチも場合によっては必要となってくるかもしれません。


【そして粘り強く繰り返す】
それでもやはりなかなか問題解決に至らないケースが残念ながら稀にあります。その場合は、どこかで考慮漏れなどがないかどうか、想定に誤りがないかどうかをあらためて確認する作業を冷静に行うことで、もう一度頭の中を整理することにしています。実際に行っていることは非常に単純で当たり前のことであるはずなのに、途中から妙に難しく、物事を複雑に考えすぎていないか、あるいは、いろいろ解決しなければいけない問題が複数同時に発生して、このような手続きを忘れてしまっていないかをチェックしなおす作業になります。ここでは必要とされるのは冷静さと根気強さなのかもしれません。


最後は精神論的な部分も入ってきてしまいましたが、いずれにしても問題解決のために何らかの手法やよりどころを持っておくことは、とくに冷静になって物事を考える必要がある時に非常に大切なことであると思います。長文となりましたが、皆様にとっての問題解決を考える上でのちょっとしたきっかけにしていただければ幸いです。

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