2012.05.23

第147回 (A) トマト”好き嫌い”克服プロジェクト【プロジェクトマネジメント】

第二事業本部 ビジネスソリューション部 マネージャー 武澤 宏亮

つい先日の日曜日の朝のことです。5歳の息子から「どうして食べ物にはいろんな味があるの?」と聞かれました。我々大人のような先入観を持たず、無限の知的好奇心を持つ子供の発想には度々驚かされますが、同じような経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この疑問をきっかけに、この日我が家でひとつの小さなプロジェクトがスタートすることになりました。プロジェクトの主役は息子であり、私がその支援をする役割です。そして2歳の娘も加わり、期せずして重要な役割を果たすことになります。今回はその「プロジェクト事例」をご紹介したいと思います。

質問を受けて私はどのように答えるべきか考えました。ただ、少なくとも私自身にも明確な答えがなかったため、まずは息子がなぜこのような疑問を持ったのか背景を聞いてみることにしました。すると、息子にはとても苦手な食べ物(トマト)があり、それをなんとか食べられるようになりたいと思ったことが質問のきっかけであると話してくれました。息子にとってトマトが美味しく感じられない理由や、好きなものを美味しいと感じられる理由がわかれば、トマトを美味しく食べる良い方法が見つかるのではないかと考えた、というのです。つまり、息子にとって重要なことは、例えばヒトの味覚のメカニズム等の知識などを得ることではなく、どうしたらトマトを(美味しく?)食べられるかということだったのです。

プロジェクトの目的が明らかになりましたので、この日、私と息子、そして食べることと兄の真似が何よりも好きな2歳の娘の3人で、息子のトマト嫌い克服に挑むことになりました。
どうやら息子は以前に、保育園の昼食で出てきたサラダに入っていた生のトマトを食べて美味しくないと感じ、それ以降どんな形であれトマトを食べることができなくなってしまったようです。そこで、最終的にはサラダで生のトマトを食べられることを目標として、まずは違った食べ方でトマトを食べられるか試してみることにしました。3人で色々なトマト料理のレシピを見ながらアイデアを出し合い、比較的簡単にできそうな以下3つをその日の昼食として試すことに決めました。

  • トマトソースのパスタ
  • トマトとフルーツのミックスジュース
  • トマトとチーズのサンドウィッチ


早速我々3人は近所のスーパーへ出掛けてこれらの食材を調達し、実際に試してみたところ、(1)と(2)は難なく食べられましたが(3)はだめでした。(1)や(2)のように味や形が変わってしまえばトマトを食べることはできても、トマトに対する苦手意識は全くなくなりませんでした。
なんとかトマトの味や形を残したまま食べられる方法はないか、もう一度考え直してみたところ、息子にひとつのアイデアが浮かびます。ちょうどそのとき、苦戦する兄をよそに(1)~(3)を楽々完食した娘が、兄にも勝る持ち前の食欲を発揮してデザートのヨーグルトを食べていました。さらに(3)のために用意して余っていた、小さくカットしたトマトを、なんとヨーグルトの中に入れて一緒に食べていたのです。息子はこれを見て、これなら自分にも食べられるのではないか、と思ったようです。
そして、正にイメージした通り、息子は娘の作った(?)トマト入りヨーグルトを食べることができました。原型を残しつつも苦手な味が和らいだことで、トマトそのものへの抵抗も小さくなりました。このヨーグルトの成功体験のせいか、結局その日息子は(3)も食べることができ、この日の試みは終了としました。息子は苦手克服についてある程度自信を深めており、翌週となるプロジェクトの第2フェーズではトマトのサラダに挑む予定です。


上に述べた話は極めて簡単な例ではありますが、一般的に、あらゆる組織または個人において解消すべき課題は、日常のふとした疑問に潜んでいることが多いのではないかと感じます。また、そのような課題の存在にそもそも気付かなかったり、効果的な解決策を見い出せていないケースが多いのではとの印象もあります。
今回のケースでは、クライアントである息子が私に課題を相談してくれたことがきっかけとなり、解決に向けて進み出すことができました。そして失敗を繰り返しながらも、最後は息子の熱意と、(偶然の産物ではありましたが・・・)娘の斬新なアイデアで課題の解決に大きく近付くことができました。


我々は皆様がお持ちのどんな些細な疑問、課題でも気軽にお話しいただける存在でありたいと考えています。その疑問から真に取り組むべき課題を見い出し、もしかすると皆様が思いも寄らなかった、しかし取り組み易い解決方法をご提案できるかも知れません。

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