2012.09.05

第154回 (B) 移転価格税に備えるリスクマネジメントシステムとしてのDivaSystem GEXSUS【ケース・スタディー】

ビジネスソリューション本部 GEXSUS推進部 部長 尾上 徹

少し前からDivaSystemのユーザー様から移転価格税対応をしているとか、DivaSystemを担当者していた方が移転価格税対策プロジェクトに異動したとかいう話を聞くようになりました。私個人的には税制とDivaSystemを直接結びつけて考えていなかったのですが、私が担当しているDivaSystem GEXSUS(※)をリスクマネジメントシステムとして捉える向きが出てきており、移転価格税制といった国際税制を考えるとDivaSystem GEXSUSのようなグループ統合会計システムと国際税制との関連性は比較的高いのではないかと考えるようになりました。今回は移転価格税制に備えるためのグループ統合会計システムの重要性について考えてみたいと思います。

※DivaSystem GEXSUS
異なるグループ各社の会計システム、サブシステムの明細データを連携し、ひとつのグループ統合会計データとして統合する仕組みの弊社ソフトウェア製品。


■移転価格税制の概要と経営に対するインパクト
移転価格税制とは、海外の関連企業との間の取引を通じた所得の海外移転を防止するためを規制する制度です。例えば、
①親会社P社が100で仕入れたものを、第三者には130で販売して、150で売っていたら、親会社の利益は30(130-100)、第三者の利益20(150-130)となります。
②親会社P社が100で仕入れたものを、税率の低い海外子会社Sには120で販売して、150で売っていたら、親会社の利益は20(120-100)、海外子会社Sの利益は30(150-120)となります。

このような税率の低い海外へ所得を映してグループ全体の税負担を低めようとする取引規制するために制度が作成されました。税務当局としては、上記のような取引が行われた場合海外の関連企業との取引が、第三者との取引価格(独立企業間価格)で行われたものとみなして所得を計算し、課税することになります。この移転価格税制については国税庁の「平成22事務年度における法人税・法人消費税の調査事績」によると平成22年度の申告漏れ総額は698億と課税金額的にも多大であり、また課税金額が多大になった場合は情報開示の観点からプレスリリースが行われ、国際的な企業イメージが損なわれ株価に影響するなど、経営におけるインパクトは大きいといえます。また、いったん税務調査が入ると年単位での対応が必要など現場部門に対して非常に大きな負荷がかかってくることになります。そこで、移転価格税の問題が発生することは、単なる税務業務の観点ではなく、経営における重大なリスクとしてとらえ、リスクマネジメントすべきだと考えます。


■移転価格税制に備えるには
それでは、どのように備えていくのかということですが、移転価格税制においては第三者引の利益と比較してグループ会社間取引の利益が所得移転として見られないような状態であることを継続的にモニタリングできるように、海外子会社を含むグループ各社から必要な情報を収集し、可視化できるようにしておくことが必要です。そのうえで、事前確認や文書化といった対応をとってもよいのではないでしょうか?


■どこまで詳細な情報を収集すべきか?
現在、独立企業間価格の算定方法として利用されているTNMM法(取引単位営業利益率法)などを考慮すると製品別、取引先別営業損益(売上、原価、販管費)を算出するための情報が必要です。


■移転価格税制に備えるためのシステムとは
海外グループ各社から上記の情報を継続的に収集し可視化できている企業は少ないと思われます。移転価格税制に備えるためのシステムを構築するためにあたり、各社の会計システムやERPが統一すればよいのですが、海外を含めてERPを統一するコストや労力をかける余裕のある企業は少なく現行の資産を利用して(人的資金的)コストを最小化する仕組みが必要です。しかも、このような仕組みは、決算算早期化、IFRS対応や製品別連結情報や地域別連結情報作成といった管理連結の効率化の延長線上として作成し、制度会計部門、管理会計部門、経営企画部門、税務部門や財務部門が共通して利用できるグループ経営システムとして構築することに意義があると考えます。


システム的には
①各社で利用している会計システムやERPの明細データを連携する仕組み
②各社の会計システムやERP違い(科目コードやデータ構造、会計処理の違い)を吸収する仕組み
③グループ統合会計システムとして、前期繰越仕訳作成や遡及修正にできるといった会計システムとして必要な仕組み
④販管費の製品別配賦処理といった製品別、取引先別損益情報を制度会計と一致した状態で作成する仕組み
といったことができることが必要です。


DivaSystem GEXSUSでは、上記に対応する仕組みとプロジェクトを通じた導入ノウハウを獲得しており、移転価格税制に備えたリスクマネジメントシステムが必要な企業に役立つことができると考えております。

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