2012.09.19

第155回 (B) 悪天候の登山の中に垣間見るチームワーク【ディーバ哲学】

連結会計システム開発部 シニアマネージャー 中西 明

昨年、弊社では有志を募り富士登山を行いました。今年もまた昨年に引き続き、登山経験の比較的浅いメンバーが中心となり総勢16名のパーティで富士山へ行って参りました。昨年の富士登山では参加メンバー全員で1チームという構成でしたが、各メンバーの体力に大きな開きがあり、待ち時間で退屈な思いをしたメンバーもいたことから、今年はその教訓を生かして先行組・後行組の2チーム制とし、先行組は一足早く登頂しお鉢巡りを行うプランを画策してみました。
そして当日の早朝、五合目駐車場へ集い、ひと時の歓談の後に各人が期待に胸を膨らませて出発することになりましたが・・・。

いざスタートしてみると、それまでのプランはどこへやら。製品開発の責任者である某氏を筆頭に、体力のあるメンバーは野原に解き放たれた獣が如く走り去ってしまい、それどころか今回の登山隊の隊長自身もその群れと一緒に走り去ってしまう始末。残されたメンバー達は、そのまとまりのない状態に不安を抱えつつも、ゆっくりと山頂に向けて歩き始めました。
スタート直後は天気も良く、皆で会話を楽しみながら歩いておりましたが、七合目付近から一部のメンバーに遅れが出始め、徐々に天候も次第に怪しくなり、ついには雨風に見舞われる状態に。
この頃からメンバーは数組に分かれてしまい、それぞれの組がそれぞれのペースで山頂を目指すことになりました。いずれの組も冷たい雨風に耐えつつ、一歩一歩着実に前へと進みました。その一方で、スタート直後に皆を残して走り去った獣組は早々に登頂しましたが、山頂でのみぞれ混じりの雨に心が萎え、「もう下山していいか?」と、携帯電話を通じて頻繁に連絡してきます。しかし、メンバーは誰一人として登頂を諦めていなかったことから、獣組もまた雨風の中をじっと待機してくれました。
そのような過酷な状況を耐えているうちに天候も多少回復し、最終的にはすべてのメンバーが無事に山頂へと辿り着き、また獣組も山頂で待機し続けメンバーを迎えてくれたわけですが、この一連の状況を振り返ってみて、チームワークというものを改めて考えさせられました。

スタート直後に走り去った獣組は、チームワークとは無縁の存在のようにも思えます。しかし、『全員で山頂に立つ』という目標だけはしっかりと持ち、過酷な山頂においてメンバーの到着を信じて待ち続けました。また、山頂を目指す途中で雨風に見舞われた各組においても、メンバー同士で励まし支え合い、寒さに耐えながらも山頂を目指しました。そして、最終的には全員がこの厳しい状況を乗り越えゴールへ辿り着いのです。もしこの日、すべてのメンバーがそれぞれ単独で富士登山を行っていたとしたら、恐らく半数以上のメンバーは途中棄権していたと思います。しかし、個人ではなくチームとして行動したことにより、誰一人として脱落者を出すことなくゴールすることができたのです。
当たり前のことですが、自分一人の力だけでは成し遂げることが困難な事柄でも、チームで取り組むことによりそれを達成できる可能性は高まり、さらに目指す目標が明確であり、かつ全てのメンバーがその目標の達成を心から望んでいるのであれば、自然とチームワークが形成され目標達成に向けてより加速して行く…ということを、今更ながら今回の山行を通じて実感することができました。

登山家の故小島烏水氏は「登山は自我を脱す」という言葉を残されております。これは、山と一体化するということを述べられているそうですが『我を捨てて山(目標)と自分が一体化すれば、究極のパフォーマンスを発揮することができる』と、私なりに解釈し(間違ってるかもしれませんが)しっかりとした目標を掲げた上で今後の製品開発業務に取り組んで行きたいと思います。

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