2007.01.19

第16回 役に立つセグメント情報

現在の開示制度として、公開企業は四半期ごとに決算情報を公表し、半期ごと有価証券報告書(半期報告書)を提出していますが、注記情報としてセグメント情報が開示されています。セグメント情報は、事業の種類別セグメント情報、所在地別セグメント情報、海外売上高から構成されています。これらセグメント情報を作成するにあたって、実際の各現場では様々な苦労をされていると思います。たとえば複数種類の事業を営んでいる会社で、事業別の数値が把握できないため財務諸表を事業セグメント毎に配賦したり、あるいは連結仕訳を各セグメントに分解していたりすると思います。

ところで、セグメント情報のうち所在地別セグメント情報については、留意して利用する必要があるのではないかと感じています。所在地別セグメント情報の外部顧客に対する売上高は、最終的に顧客に売上を計上している会社の所在地から導き出されるため、グローバル展開の仕方が見えにくい状況になっているのではないかと思われます。例えば、米国市場にある商品を販売している場合に、現地法人を設立してビジネスをしていれば米国での売上高として認識されますが、日本国内から米国に輸出していれば日本の売上高として表示されることになります。したがって、所在地別セグメント情報は有用性のある情報ではありますが、会社の展開の仕方によって見え方が異なるため、その実態を見間違えないようにする必要があります。

そして、国・地域別の視点での分析としては、どちらかといえば所在地よりもどの市場(国・地域)でビジネスを展開し収益を獲得しているかの情報、つまり市場地域別セグメント情報が有用な情報ではないかと考えています。実際、売上高については「海外売上高」として開示されていますが、損益まで把握できると経営者にとっても投資家にとっても非常に有用ではないかと思います。さらに欲を言えば、事業セグメント別でさらに市場地域別の損益情報があると非常に効果的だろうと考えています(ただし、作成するのは難しい情報だと思われます)。

また、昨年IASBよりIFRSとUSGAAPのコンバージョンスを図ったIFRS8号が公表されています。事業セグメント報告に関するもので「マネージメント・アプローチ」を適用することがうたわれていますので、日本基準に適用される日が来ることも考慮する必要があると思いますが、内容にセグメント別の負債金額も含まれている点は興味深く、確かに有用な情報になると思われます。

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