2012.12.12

第161回 (A) ゼロコンマ数秒の「コンマ」って何?【ものづくりの視点】

執行役員 開発第一本部長 公認会計士 中山 立

2012年も早いもので、あっという間に師走を迎えました。2012年は皆様にとって、どんな1年でしたでしょうか?
弊社にとっては、10月にジール社の事業承継により、お客様への貢献領域を大きく拡大するための新たな一歩を踏み出した1年となりました。
「仕事以外で何があったかな・・・?」と振り返ってみると、今年はやっぱりオリンピックイヤー、ロンドンオリンピックが頭に浮かびます。日々、繰り広げられる熱い戦いに胸を熱くし、寝不足の毎日を過ごした方も多いのではないでしょうか。

スプリント系の競技などでは、ゼロコンマ数秒の差で決着がつくわけですが、私もその一瞬の差の勝負を制するための長い期間の努力に思いを馳せ、心を動かされずにはいられませんでした。
ただ、そのような感動を覚えながらも実は同時に少しヘンなことを考えていました。
「ゼロコンマ数秒の『コンマ』って何だろう??」と。

通常はコンマ(カンマ)というと、黒丸にヒゲがついた「,」のことを指すわけですが、例えば「0.3」で「0」と「3」を区切っているものには明らかにヒゲがありません。いわゆる「ピリオド」と呼んでいるものだと思うのです。なので、普通に考えると「ゼロピリオド数秒」と呼ぶべきではないでしょうか?

その答えとして思い当たる節がありました。ちょうど、この数日前に、お客様からドイツの子会社の個別会計システムからアウトプットされたデータの取り扱いについてのお問い合わせを頂いていたのです。
ご存知の方も多いと思いますが、日本やアメリカ・イギリスなどでは3桁の桁区切りにカンマを利用し、小数点にピリオドを利用しますが、オランダ・ドイツ・ベルギーなどでは逆にピリオドで桁を区切り、小数点にカンマを打ちます。

「ゼロコンマ数秒」という言い方は、日本でも昔はオランダ方式を使っていた、あるいはその呼び方のみが伝わったのかもしれませんが、とにかくこの方式の名残であることは間違いないでしょう。
調べてみると桁区切りについては、他にも、空白で区切る方式(フランス・ロシアなど)やアポストロフィで区切る方式(スイスなど)などもあるようです。特にスイス方式はものすごい違和感があり、「本当??」と思われるかもしれませんが、[コントロールパネル]-[地域と言語のオプション]で確認可能です。

なお、この数値表記のグローバルでの標準化については、国際度量衡総会なる会議で議論の結果、「小数点はカンマかピリオドのどちらか。桁区切りには空白以外を使わない。」ということになっているようです。ただ、実際には前述のとおり、桁区切りに空白以外も使用されているわけで、「カンマかピリオドのどちらか」という緩さとあわせて、原則的ルールは定めるものの、従来の慣習などを考慮して一定の揺らぎは許容範囲と捉えているといったところでしょうか。

ところで、日本の桁区切りに関しては、すっかり3桁ごとに区切る方式に慣れてしまっていますが、私は恥ずかしながら、1億を超えた辺りから目視で感覚的に数値が理解できず、「12,345,678,900」のような数値を見て、心の中で「いち・じゅう・ひゃく・せん・まん・・・」とカウントしてしまうことがしばしばあります。日本語の数値の読み方から考えると、どう考えても3桁で区切るよりも、「123,4567,8900」のように4桁で区切るほうが読みやすく、そのようにすべきではないかと思ってしまいます。
ただ、これほどの違いになると、もはや「従来の慣習などを考慮した一定の揺らぎ」と捉えることは難しく、この区切り方をしている限り、世界では通用しないことでしょう。

このようなことを考えていると「あ、これってIFRSだ。」ということが頭に浮かびました。政局もあり、IFRSの今後の動向はますます不透明ではありますが、どのように転ぶにせよ、先ほどの4桁区切りと同様に、まったく日本独自の基準のままというわけにはいかないでしょう。
一方で、IFRSを適用した場合にも、全てにおいて従来の慣習や文化的背景などとはまったく無縁で、許容される揺らぎがないのかというと、これもそうではないと思います。同じIFRSを適用していても、例えば「日本では減価償却の方法について他の国・地域と少し異なる傾向がある」というような部分は結果的に存在することになるのではないかと。これはこれで、日本ではCEO・CFOが減価償却というものをそのように捉えて経営をしている場合が多いという実態を表しているものであり、決して国際的な比較可用性を歪めるものではないと思います。いわば”日本流”のグローバル会計基準対応があるのだと思うのです。

同様に連結経営の手法についても、日本独自の色を持ちながらも世界で通用する”日本流”グローバル連結経営があるのではないかと思います。特にグループ会社のガバナンスにおける「統制と委譲のバランス」については、わが国固有の文化や国民性を背景に生まれ、それをベースとしながらグローバルに進出していく過程で熟成されてきた適切なバランスが確立されているのではないかと思っています。

私も製品開発に関わる人間として、グローバルに通用する製品を世に送り出したいという思いを持ってはいますが、私どもにとってのグローバル対応の最初のステップは”日本流”グローバル会計基準対応を進行される、あるいは”日本流”グローバル連結経営で世界で戦うお客様のニーズに徹底的に応えていくことなのではないかと考えています。
このような考えのもと、11月末にリリースした最新バージョン『DivaSystem 9.7』では、地域統括会社を設置して当該地域レベルでの計数管理を本社と「ものさし」を合わせつつも自律的に実施させようというお客様ニーズの高まりに対応し、「グローバルサブ連結対応」をメインテーマのひとつとして取り組みました。日本語/英語の表示言語や連結通貨の切り替えにより、ひとつのDivaSystemで日本の親会社も海外の地域統括会社もそれぞれの連結決算ができるように、という私どもにとっても大きなチャレンジでした。この成果が多くのお客様に貢献できればと、非常に楽しみにしております

今後も、引き続き日本のお客様の”日本流”グローバル対応をご支援していけるよう、精進して参ります。

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