2013.01.09

第163回 (B) 2013年の年頭にあたって~「グローバル化」と「ビッグデータ」の関係を考える【経営・会計最前線】

取締役 グループ企業ビジネス推進担当
(株式会社ディーバ・ビジネス・イノベーション 代表取締役社長) 川本 一郎

一昨年の2011年は東日本大震災を皮切りにアラブの春、欧州債務問題が勃発し、アジアでもタイ洪水、金正日総書記死去など突発的な事態への対応に追われた1年でした。逆に昨年2012年は突発的な事象は少なかったものの、主要各国の選挙が行われ、米ソ中の超大国をはじめ日本でも3年ぶりに自民党が政権に復帰するなど新たな枠組みが出来上がったといえるでしょう。

では、来るべき2013年はどのような年になるのでしょうか?
自民党の政権復帰がなったものの衆参の「ねじれ」状態は継続し、低成長時代に欠かせない「不利益の配分」となる政策は進まず国内市場の拡大は見込めないでしょう。ですから、多くの日本企業にとっては成長を達成するには新興国を含めた海外市場への事業展開を継続することが必要となります。

実際、一昨年ディーバの子会社DBIを設立し、お客様企業の基幹系システムに関する支援を行っている中でグローバル化に伴う相談は増え、かつ多岐にわたってきています。
その中でも特に親会社や主要子会社が海外大手のERPを用い、それ以外の子会社(海外含む)が親会社とは異なるERP(通常は多言語・多通貨対応の製品が好まれる)を導入するいわゆる「2層ERP」の考え方が増えてきたことが一つの特色でしょう。

その背景としては廉価版ERPの性能が向上してきたことで導入コストを低減できるようなってきたことであったり、海外売上比率の多い企業だと機動的な事業展開を実現するために海外子会社にシステム選定権限を委譲していたり、逆にこれからの海外展開は海外子会社が既に導入済みのものやJV先の利用しているもので統一しようと改めて本社主導で進めていたりと様々な理由があるようです。

しかし、そこで浮き彫りになってきたことが一つあります。それは日本と欧米での「情報基盤」に対する考え方の違いです。

一言でいうと欧米ではデータ取得の範囲が広く、かつ業務プロセスへの活用が徹底しているのです。

元々、組織として情報を活用できていないという指摘は昔からありました。敗戦直後の米軍の報告書では明確に情報活動の軽視(作戦任務優先)が敗戦理由の一つと指摘しています。それほど極端な話でなくとも日本の自動車メーカーの製造原価は車種単位だが、米国では設計変更単位まで把握可能と2段階先を行っているという話を間接的に聞いたこともあります。

ではなぜそのような差が生じるのか?お客様企業と話す中で分かったことの一つに労働市場における流動性の違いがあるように思います。

例えば、米国では労働者がどんどん入れ替わり、個別の労働者の暗黙知に頼ることは出来ません。いつ入れ替わっても業務が止まらないように業務プロセス自体が情報基盤を活用することが前提となっています。また流動性とは少し異なりますが欧州では毎年数週間の長期休暇を取ることが一般的であり、休暇中の業務を他の労働者に任せられるようにここでも情報基盤の活用が前提となっています(それがコンプライアンス上の要件でもあります)。

蛇足ながら外国でCEOの流動性が高いのも経営に対する暗黙知を減らそうとしている努力の反映かもしれません。

今、IT業界で騒がれている「ビッグデータ」は、顧客データ分析といったCRM領域を除き、まだ暗黙知に頼っていたりコンプライアンスの要請が厳しくない日本市場においては元々普及に向けた障壁が高かったと言えるでしょう。但し、冒頭で述べた「グローバル化」により労働力の流動化やコンプライアンスの強化が進めば案外と普及が早まるかもしれません。

弊社DBI及びディーバ・グループは、そのような支援をいつでも手掛けるべく準備をしております。お客様企業のそのような課題を解決すべく支援してまいりますので今年も是非ともよろしくお願いいたします。

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