2013.01.23

第164回 (B) 私的「電子書籍元年」【IT・情報システム支援】

取締役 公認会計士 (株式会社インターネットディスクロージャー 代表取締役社長) 滝澤 博

きっかけは、昨年11月のiPad mini購入からでした。重量300g程度のこの7.9インチタブレットは持ち運ぶのに抵抗がなく、通勤時に携帯するようになりました。最初は日経新聞の電子版を読むぐらいでしたが、試しに、電子書籍アプリをインストールし、青空文庫から数冊を選んで読んでみると、長年の悩みが一気に解消されました。ここ数年、老眼が進み小さな活字に煩わされていたのですが、フォントサイズの変更でまったく気にならなくなりました。少し大げさにいうと、読書に関する限り20代の視力を取り戻したような感覚を覚えました。

その結果、12月1か月だけで10冊以上を読むという読書スピードを取り戻すことができました。
去年の後半は、電子書籍リーダーも楽天、ソニー、アマゾン等から数多く発表されました。これら専用リーダーの利用も考えましたが、電子インク特有のリフレッシュ効果や、白黒表示の点などを考慮し、iPad miniに落ち着きました。特に、細かな点ですが、タブレットのリーダーですと、ページめくりの感覚が現物に近く、前のページの最後の行を読みながら、次のページの最初の行を読むといったことも普通にできます。(まったくの私見ですが、ワープロ専用機がパソコンに収れんしていったように、将来的には、専用リーダーも汎用タブレットに吸収されていくような感じがします。)

こうして、電子書籍の道に入り始めましたが、品ぞろえの不十分さが気になってきました。また手元には長年買いためて、たまりにたまった書籍の山があります。こうなると、必然的に、手元在庫の電子書籍化(”自炊”)が視野に入ってきました。

世評の高いスキャナーとカッターを購入し年末年始の休暇で約100冊の電子書籍を作成してみました。書籍作成の手順は、①本のばらしと裁断、②スキャン、③チェックとなります。最近購入した本よりは何年も、「積んどく」で熟成してきた本の方が「ばらし」も簡単なことがやってみて初めてわかりました。

スキャン時にはせっかくなので後日検索が可能なようにPDFのインデックスを作成しますが、今のスキャナーは優秀でスキャンのスピードにはほとんど影響がでないようです。

丁寧に作業をしても数百ページの文庫本で全工程を終了するのに20分程度の感じです。

長年、増殖を続けていた、本の在庫が初めて減少し、本棚に空きスペースが生まれたことに大きな感銘を覚えました。電子化対象の本は、①未読の本、②読了したが、いつか読みたくなる本、③資料本が優先順位の高いものですが、思い出深い何冊かの本は最後まで現物で残りそうです。

スキャナーでは、日焼けした本や、書き込みがそのままのイメージで電子化されますが、昔の記憶が電子化されるようで大いに気に入っています。むろん、なによりも、インデックス化された書籍群は強力なナレッジベースとなり頼もしい限りです。

フィルムの電子化、音楽ダウンロード等、デジタル化のもと日常生活におけるコペルニクス的転回が、数多く起こっていますが、書籍の電子化もこれらと同等以上のインパクトを持つものと実感しました。

実際、書店への訪問回数は、12月以降激減し、生活パターンも変わりました。今は、将来老人ホームに入る時は、気に入った本1冊とタブレットひとつでいきたいものだと夢想しています。

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