2013.05.15

第172回 (C) 連結管理会計「7つ道具」(1) 【本気で連結業績を向上するための経営管理】

執行役員 主席コンサルタント 森本 朋敦

●連結管理会計の「7つ道具」
品質向上や現場改善を行うためのQCサークル活動においては、「QC7つ道具」というツールがあります。これは長年の改善活動の中で見出され、活用されてきた有効なツールです。さらに発展して新QC7つ道具も活用されています。
これと同じように、連結業績向上のための連結管理会計にも、有効な方法論がいくつか存在します。筆者自身、18年間この分野で数々のプロジェクトを行ってきましたので、ある程度は各企業共通に当てはまる要件と考えられるものを、今回から数回に分けて、連結管理会計「7つ道具」としてご紹介していきたいと思います。 

●「7つ道具」その1:内訳を知る
「7つ道具」の一つ目は、『内訳を知る』ということです。あまりにも大括りの情報では、その中身が分からず、何に手をつけるべきかが分からないからです。中でも、「売上原価」は売上高に対する比率が一番大きいにもかかわらず、制度連結ベースの連結損益計算書では「売上原価」一本でしか分からないという問題があります。特に、製造業においては原価低減は永遠の課題でありながら、その内訳が分からないというのは経営によっては致命的な問題です。
下図は、売上原価をその内訳にブレークダウンしていった図ですが、内訳が分かってくると本当に何をすべきかが分かってきます。 

①連結財務諸表レベル:
粗利率(売上総利益率)が目標に対して未達なのは、原価率が悪化しているからという当り前のことしか分かりません。

②原価費目レベル(売上原価を原価費目に分解):
売上原価に占める固定費系費目(労務費、減価償却費、その他固定費)は改善しているにもかかわらず、購入部品費が悪化しているために、粗利率が未達になっているということが分かります。従って、手を打つべきなのは、設計部門や購買部門によるVA、VE、CRということになります。

③固変分解費目レベル(固定費を売上原価ベースではなく発生ベースで表したもの):
実は固定労務費は悪化しており、在庫が増えたために売上原価の固定費が減っているにすぎないということまで分かります。従って、購入部品費の削減活動だけでなく、生産性向上による労務費削減、早急な製販調整による在庫削減が必要ということになります。 

このように、最も重要な売上原価の内訳を示すことは、連結管理会計においては最も基礎的な要件です。 

また、販管費は概ね勘定科目で固変分解できますので、連結売上原価が固変分解された原価費目レベルまで把握できれば、下図のように連結損益分岐点が把握できるようになります。グローバルで需要変動が激しく先行き不透明な現在においては、自社の損益分岐点を把握しておくことは、アクセル・ブレーキを間違えないためには必須の要素だと思います。

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