2013.10.30

第184回 (B) グループ経営にも“日本的”なるものはあるか?【経営・会計最前線】

営業本部長 兼 マーケティング室長 寺島 鉄兵

2013年10月1日付けで、ディーバグループは、持株会社制に移行しました。

新たな統括会社は、商号を変更して「株式会社アバント」になり、、新設した株式会社ディーバはアバントグループの1社としてこれまで以上に事業成長を追求していくことになります。

持株会社制への移行は様々な意図がありますが、一つの大きな理由は「グループ経営の実践」です。 お客様のグループ経営強化のご支援をする会社として、規模こそ比較にならないながらも、自らがグループ経営を実践することにより、お客様のリアルな悩み共有し、答えを編み出していく、そのような意図を持っています。

そもそも、企業はなぜグループ経営を推進するのでしょうか?

一つの理由としては、事業展開の質・量・スピード面を向上させることでしょう。

ただし、この点だけを見ると、内部事業体(事業部、社内カンパニー等)として展開することも可能です。

グループ会社の形態として展開することにはそれなりの理由があるはずです。

外部の研究(*1)では、内部事業体(事業部、社内カンパニー等)として事業展開するケース、グループ会社化するケースでは、大きく人事面、戦略面で、グループ会社化するケースにおける分権度が高いことがわかっています。(特に人事制度・賃金体系について、親会社と切り分けた運用が可能なことが利点として認識されているようです)

経営戦略とそれを根っこで支える人事面で、意思決定を迅速かつ柔軟に行っていくことを指向していると言えるでしょう。

他方、米国では事業部と100%子会社で、戦略にせよ人事にせよ明確な差を意識したオペレーションをしていないとの研究があり、前述の分権度の差は、ある程度日本の風土に根差したものなのかもしれません。

日本におけるグループ経営という環境を考えた場合、その他いくつか興味深い例が見られます。

例えば総合商社は日本独特のビジネス形態だと言われています。

バリューチェーンを網羅する多様なグループ会社を数百社単位で傘下に抱え、ビジネス上の背景を踏まえた様々な資本関係を構築しながら、グループ全体で収益を最大化しています。

そこでの本社の役割は、事業の目利きと投資実行、バリューアップとモニタリングという、投資会社のそれに近いものがあるように見受けられますが、本社そのものも「事業会社」として事業収益の最大化に向けて動いているところは投資会社とは全く異なります。

もちろん日本特有と言われる総合商社そのものの歴史的な形成過程と、総合商社のグループ経営の成り立ちは、本質的には別次元の議論であり、強引に結びつけることはできません。

もうひとつ、「グループ」という意味では、三菱グループ、三井グループ、住友グループなど、旧財閥系のグループが思い浮かびます。

これらのグループはグループとしての広報組織も有しています。例えば、三菱グループの場合、「三菱広報委員会」を中心に、三菱グループのポータルサイトを作成しています。

一方で、そのサイトにある三菱グループのFAQを見ると“「三菱グループ」の明確な定義はありません”と記載されています。(http://www.mitsubishi.com/j/)

社会から一般用語としても認知されており、グループとしての広報組織も明確にしているけれども、「グループの定義はない」。このあたりもあまり欧米では見聞きしない例のようです。(小職の研究不足もあるかもしれませんので、もし誤っていたらフィードバックいただけると幸いです。)

一見すると不思議な存在ではありますが、お互いが定義はなくとも、三菱グループというつながりとして認識しているという意味では「ソーシャル・ネットワークとしての企業グループ」と捉えることもできるかもしれません。

こちらもやはり日本特有のグループ(経営)の存在と言えるでしょうか。

さて、アバントグループとしてはどのようなグループ経営のモデルを作っていくのでしょうか。

その発展の過程を内部から眺める機会に恵まれたことを幸運に思いつつ、メンバーとともに作り上げるプロセスを楽しんでいきたいと考えております。

注:*1 独立行政法人経済産業研究所 2010年

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