2013.12.11

第187回 (B) 連結業績向上のための経営計画【本気で連結業績を向上するための経営管理】

管理会計事業本部長 森本 朋敦

●経営計画の体系
経営計画は、自社(自社グループ)が「何を」「どのように」目指すのかを明らかにし、組織を動機づけるために不可欠なものです。商品開発計画や設備投資計画などの個別計画を別とすれば、企業全体の経営計画は概ね以のように、中期経営計画と年度計画とで構成されます。

多くの企業では、最終的にどうなりたいかというビジョンが明示的または黙示的に存在します。これは言わば「見果てぬ夢」のようなものですから、このビジョンに着実に近づいていくために中期的に「何を」「どのように」実現するのかを示すのが中期経営計画です。これを直近の1年間のマイルストーンとして、具体的な成果目標と活動内容に落とし込み、会社間・部門間の活動内容を調整するための計画が年度計画(予算)ということになります。


●連結管理会計の中期経営計画への適用
中期経営計画は、中期的な方向性を示すものですので、これまでの延長線上で数年間の計画を立てるというのではなく、事業構造や収益構造をどのように変化させていくか、そのためにどこにどの程度の経営資源配分(投資など)を行っていくかということを主に検討することになります。
これまで述べてきた連結管理会計や原価情報、KPIは、中期経営計画策定にあたって、主に以下のような使い方をします。

①ポートフォリオ分析
事業構造改革を検討するためには、まずはポートフォリオ分析が必要となります。事業軸や地域軸、市場軸などの各管理軸の管理単位ごとに成長性や収益性を検証し、どの事業や市場に注力するか(経営資源を重点的に配分するか)、どの事業や市場は優先順位を落とすか(場合によっては撤退も検討するか)を検討します。このためには、事業軸や市場軸を中心としたさまざまな検討軸での連結管理会計情報が不可欠となります。

②収益構造・コスト構造分析
注力事業や注力市場であっても、従来通りのパフォーマンスでよいということにはなりませんから、各管理単位での収益構造分析やコスト構造分析が不可欠です。原材料費率は高すぎないか、下げる方法はないかとか、営業費率は競合他社に比べて高すぎないか、その原因は何かというような検討です。そのために連結管理会計情報や原価情報が必要であることは言うまでもありません。

③業績とKPIとの相関分析
意外にあまり行われていないのが、この相関分析です。これは業績とKPIとの相関関係を分析し、本当に業績向上にインパクトがあった施策はどれなのか、どの施策が優先度が高いのかを検証するものです。経営資源は有限ですから、想定される施策をすべて実施することはできませんので、優先度の見極めは重要です。そのためは、連結管理会計情報とKPI情報とを統計的に解析したり定性的に評価したりする検証作業が必要です。

④キャッシュフロー分析
上記のような検討の結果、どのような重点施策を実施し、どのような事業構造・収益構造を生み出すかということが明確になっていくわけですが、施策を打つためにはキャッシュが必要となるのが通常です。したがって、施策を実施するための必要投資額(キャッシュアウト)と、その結果生み出される業績(キャッシュイン)との関係を検証する必要があります。これを見ておかないと実現不可能な中期経営計画を立てていたということになりかねません。そのため、過去の会計情報をベースとして、これに施策投資、期待効果、為替前提などをパラメーターとして変動させることにより、全体としてのキャッシュフロー効果をシミュレーションするのが一般的です。

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