2007.03.02

第19回 棚卸資産の評価基準

公認会計士 斎藤 和宣

今回は、いわゆる会計制度における2008年問題の1つである「棚卸資産の評価に関する会計基準」について、そのポイントを整理したいと思います。「棚卸資産の評価に関する会計基準」は昨年7月5日に企業会計基準委員会から公表されており、先入先出法や後入先出法などの評価方法を取り扱うものでなく棚卸資産の期末における評価基準及び開示について定めるものと位置付けられています。

まず棚卸資産を「通常の販売目的で保有する棚卸資産」と「トレーディング目的で保有する棚卸資産」に分け、それぞれについて評価基準と開示方法を定義しています。

1)「通常の販売目的で保有する棚卸資産」
【評価】取得原価か正味売却価額のどちらか低い価額でB/Sに計上。棚卸資産の種類ごと、簿価切下げの要因ごとに洗替え法か切放し法を選択適用できる。
【開示】評価損は売上原価に計上。製造に関連し不可避的に発生する場合は製造原価。
2)「トレーディング目的で保有する棚卸資産」
【評価】市場価格に基づく価額でB/Sに計上。
【開示】損益は純額で売上高に表示。

一般的な「通常の販売目的で保有する棚卸資産」について考察してみると3点ほど留意点があると思います。

A)原価法ではなく低価法で評価する必要がある。
B)継続適用が前提であるが、洗替え法か切放し法の選択が簿価切下げの要因ごとに適用できる。
C)連結手続きにおける未実現利益の消去を行う場合に未実現利益額と評価損額の大小関係を考慮した処理や、さらに前年度に切放し法で評価損を計上した在庫が残っている場合の当期評価損額と未実現利益額との比較・反映方法を検討する必要がある。
当該会計基準の適用にあたり企業グループとして対応することになりますので、今から適用初年度の処理方針も含め準備しておく必要があるでしょう。

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