2014.01.29

第190回 (A) 「過去」と「現在」だけでなく、「将来」の見通しを明るくしたい 【ケース・スタディ】

管理会計事業本部 コンサルティング部 部長 岩佐 泰次

「過去」と「現在」だけでなく、「将来」の見通しを明るくしたい。これはあるお客様の問題意識から発せられた言葉です。この言葉をきっかけに現在、シミュレーションシステム構築プロジェクトが進行しています。できそうでできないシミュレーションシステム、その取組み意義についてご紹介します。

我々の事業領域である経営管理の領域において、「過去」とは計画・予算編成を、「現在」とは実績(月次・四半期)等を意味します。計画・予算は「過去」ではなく、「将来」ではないかという意見もあろうかと思いますが、「予算」は一度立てたら、見直し頻度はよくて半年というのが大半で、当初の計画・予算編成の想定前提は、3か月もすれば大きく変わっているにも関わらず半年間見直しが入りません。つまり日々刻々と変わる想定前提の変化に対して、将来を捉えることが非常に難しいという課題を多くのお客様が抱えているように感じています。

このシミュレーションシステムの対象領域は、販売サイドの見通しだけとか、生産サイドの見通しだけ、というものではなく、販売数量・単価や売上構成の変化、為替見通しの変化、設備投資計画の見直し、原料価格の変動などにより、利益(PL)はどうなり、在庫(BS)はどうなり、資金(CF)はどうなる、という事業全体の見通しを明るくしようとするものです。活用局面についても、計画・予算段階でのトップダウンシミュレーションやボトムアップ数値の見直し検討、月次ローリングによる着地見通し、リーマンショックのような環境変化が激しい場合の将来見通し、など年間通じて利用されるものです。

この取組みの主体的ユーザですが、販売・生産など横断的にカバーする必要があり、また最終的には利益・在庫・資金といった財務数値への影響という点で、本社の経理・企画系部門が中心となっています。実現に向けてのポイントも経理・企画系という本社が、どれだけ事業の実態を捉えられているかどうか、費目別の金額情報しかわからないということでは、「過去」と「現在」は捉えられても「将来」の見通しについて議論することは困難です。その意味で、本社の事業サイドに対するスタンス自体に変革をもたらしていくことも、実質的な目的の1つになっています。

まだ構築半ばではありますが、無事完了し、「過去」と「現在」だけでなく「将来」が見通せたとき、経営判断はどう変わるのか、アクションに変化は見られるのか、結果たる財務数値は伴うものなのか、新たなPDCAサイクルが動き出すことを強く信じています。

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