2014.06.04

第199回 (A) ヴィクトリア朝英国画家に思う名声の永続性 【ものづくりの視点】

コンサルティング事業本部 コンサルティングサービス3部 マネージャー 玉村 殖亮

フレデリック・レイトンをご存知ですか?フレデリック・レイトン(1830~1896)は、19世紀後半の英国の画家で、当時知らぬ者がないほどの高い知名度を誇り、画家で初めて貴族に列せられるなどの多くの名誉に彩られた、英国アカデミズム絵画を代表する人物です。
しかし、死後、彼の名は急速に忘れ去られてしまいました。我が国においても、彼と同時代のターナーやロセッティ、ビアズリー等は、現在でもあちこちの美術館でよく特別展が開催されたり、テレビに取り上げられたりしますが、レイトンについては、まずお目にかかることはありません。

なぜ、彼の名声は長続きしなかったのでしょうか。
美術評論家によりさまざまな見解があるようですが、レイトンには、その名声を永続化させるための「何か」が足りなかったということです。この「何か」の不足により、ヴィクトリア朝では女王をはじめ、あまねく人の関心を集めていた彼の作品は、後世の人々にはあまり感銘を与えることが出来なかったものと考えられます。

このことは、現代の私たちにも当てはまります。
市場ニーズを掴み、ニーズに合致した製品・サービスを提供することは極めて大切です。しかし、それだけでは人々の記憶に残り、後の世に語り継がれるには「何か」が不足しています。「創造性」や「革新性」かも知れませんし、違うものかもしれません。

『十訓抄・四』には「虎は死して皮を留め、人は死して名を残す。」という教訓があります。

後世の視点を意識すると、売上至上主義とは別の考え方に基づく、製品機能の実装や、サービス展開方法を選択する余地が出てくるのではないでしょうか。 私たちは全知全能でなく、知り得る情報範囲は限られていますし、外部環境の制約により、望ましい選択肢を実行できないこともあります。それでも、可能な限り永続的な名声を博すべく努力したいものです。

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