2014.06.18

第200回 (A) 消費税17年ぶりの改正 【経営・会計最前線】

グループ管理第1部 部長 守田 浩之

消費税が8%になり、早2ヶ月経ちました。今回の増税議論では、福祉・介護、財政再建への目的をうたっていますが、その目的はぜひ果たしてもらいたいものです。
消費者にとって、もっとも身近な税金であるこの消費税について、また、今回の増税の影響について少し書かせていただこうと思います。
消費税は平成元年4月から導入され、この時も福祉・社会保障対応の財源とすると言われてきましたが、目的税ではないため、私たちは何に使われているのかの詳細を知ることはできません。
今回は果たして財政再建と社会保障の糧とすることができるのでしょうか。
なお、取引税(間接税)としては、消費税導入の前は物品税という主に嗜好品といわれる特定品目に特定の税率が加算される税金がありました。物品税は現在の消費税率(8%)より高い税率が課されており、嗜好品・贅沢品への課税ということで間接税ではあっても所得との比例性も高くなり、担税力とのバランスで利点があるといわれています。

一方、一律な物品課税である消費税は、所得との逆進性が批判と議論の対象とされることが多いところです(消費税においても食料品等一般必需品の軽減税率の導入は検討されているようですが。)
ただし、物品税も何を嗜好品・贅沢品として課税対象とするのか、また税率は?という課税基準のあいまいさが発生し批判もされていました。
どちらが適切な間接税かの議論はありますが、消費税(3%)が導入され物品税は廃止され、既に26年がたちます。この間、消費税は平成9年に5%そして平成26年に8%、平成27年10月には10%(?) への道を進んでいます。
3%から5%へのUPが9年、5%から今回のUPは17年ぶりの改正ということになります。ずいぶん時間が経っており、前回の税率UPを記憶している人のほうが少ないかもしれません。
消費税といえば、導入時の平成元年の導入時に物品税が廃止されたため、税率の高い課税品は消費税に代わり値下げされるという買控えもおこりました。そういえばと思いつつも、はるか昔のことで記憶には殆ど残っていませんが。
適用前の駆込み需要とその反動が騒がれてきましたが、今回の増税にあたっては景気への影響に配慮して、経過措置を含めた大幅な経済対策も織込まれたうえでの適用となり、駆込み需要は不変にしても、その反動で景気の腰折れは起こしてほしくはないものです。

一方で自分に置き換えると、今回の経過措置に含まれなかったため当社の経理上はかなりの影響があり、お客様にもご協力をいただくことになったものがあります。それは前払いで頂戴している保守料など前受収益といわれるものに該当するものです。
今回の措置では、保守点検等の継続役務の提供を行う契約で一括してその料金を前受しているものについては、売上側の会計処理にあわせて購入側も会計処理しなくてはならず、売上側が一括して収益認識していれば、仕入側は特段の処理は必要ありませんが、売上側が経過期間に応じて売上計上している場合、平成26年4月以降に係る期間については8%の消費税が適用されることになったため、販売者側は4月以降の期間に対応した消費税のみの請求を行う必要があり、購入者側はその請求に合わせて消費税処理を行わなければならず、販売者の会計処理に左右されることになり、販売者側の追加請求事務のみならず、購入者側にも多大な煩雑となる処理を強いるものとなっています。
17年前にはこのようなことで騒いだ記憶がないため、経過措置に含まれていたものと推測しますが、他の施行日前の決済ずみの取引が概ね経過措置の対象となるのに比べると、対応の事務負担の大きさもあり、大いに不満が残ります。平成27年の税率改正のおりにはぜひとも経過措置に含めてほしいと思いますが、今回と同様の準備と対応を覚悟しています。平成27年の税率も改正施行日直前まで実施を含めて10%とは決定されないと思われ、事前の対応は難しいと考えています。経理の方なら同じ思いを持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。

やはりUPした3%の影響は、財布にずしりと重く、影響は小さくはないでしょう。
それだけにぜひとも税率UPの目的である財政再建と福祉・社会保障の財源適正化への取組みは実現してもらいたいものです。

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