2014.09.17

第206回 (B) あるお客様とのお話 【お客様探訪】

コンサルティング事業本部 管理会計事業部 ディレクター 永島 志津夫

「他社ではどうやって予算を立てているのでしょうね?」
少し前のことになりますが、ある化学メーカーのお客様に訪問した際のお話です。DivaSystem導入時はリーダー役を務めて頂き、現在は業績管理・予算編成を管轄されている方との雑談中でした。予算業務について私自身の経験ですが、是非触れたいエピソードがあったので、そのご紹介をしました。

20年以上前になります。社会人に成り立ての頃、私は重電メーカーの総合研究所に在籍していました。2月か3月だったと思います。研究所なので研究開発計画に関連した予算を立てるのですが、それがPLベースではなくCFベースしかも割引率(確か8%前後だったような)を適用したNPV(正味現在価値)を計算するフォーマットになっていたのです!いかがですか?ちょっと驚きではないでしょうか。技術系の末端の社員がこのような財務知識を前提にした予算を立てていたのです。

「それは今でもちょっと高度ですね。NPVはなかなか無いと思いますよ。」

ちょっと驚きのエピソードはこれくらいにして、予算の話に戻りますと、業種・業界による差はあるかと思いますが、おそらく皆様の会社でも大筋としては
1)営業部門の売上計画ないし販売予算を受けて
2)生産部門の生産計画ないし原価予算を作成(※メーカー様の場合)
3)最後に部門別の経費予算、全体を並行して投資計画

これらを事業部・会社単位で取りまとめ、調整といった流れではないでしょうか。
そして、一番苦労されるのが事業の出発点となる「売上計画ないし販売予算」ではないでしょうか。先のお客様との雑談も発端は売上計画でした。ただそれっぽい数字を作ればいいというものではなく、将来の事業イメージを構想、実行可能性を裏取りした上で、数値化するというのが本筋ですから、結果としての数字(金額)だけではなく、組織・製品・顧客・時間軸の販売数量、販売単価などの内訳や前年との増減理由・打ち手などがあって然りということになります。市場感覚というか目利き力がものを言う世界で、やはりベテランの方は読みが的確とのことで、とりまとめ・調整役という立場からお客様もいろいろな事が見えてくるようです。

お話しを進めますと、「ポイントは数量、商品のとらえ方・数え方ではないか?」という素朴な問題意識に至りました。これは私も同感でして、しばらく医薬品の市場分析を行っていた時期があり、その際の商品のとらえ方は「一日用量」でした(1回2錠、一日3回食後服用なら6錠、1錠の有効成分量が20mgなら一日用量は120mgです)。当たり前と思われるかもしれませんが、みなさまの会社での商品の数え方は荷姿・包装単位のままだったりしないでしょうか?患者様起点で考えれば「一日用量」のような数え方に至るのは自然なことですが、とかく計算が面倒くさいこともあり、意外に盲点になっていないでしょうか?実は最初にご紹介したエピソードも、研究開発の現場からすると、減価償却を加味したPLベースの予算よりも、購買単位のCFベースの予算の方がしっくりくるのです。今思うと事業・業務イメージに即した予算フォーマットは、現場と管理部門の知恵と工夫の産物だったのかなと思います。

当時、このような他愛もない雑談をしたお客様も現在は、海外子会社の運営に携わっていらっしゃいます。会社として、経理部→連結決算→予算・業績管理→海外子会社→本社というキャリア・パスがあるようです。本社で感じとられた様々な問題意識を子会社運営という現場に近い立場で掘り下げ、多くの発見と構想をもってまた日本に戻られることをお待ちしております。

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