2014.10.30

第209回 (A) 民法大改正で敷金トラブル解消? 【プロジェクトマネジメント】

コンサルティング事業本部 コンサルティングサービス1部 マネージャー 澤本 智也

最近は、敷金礼金ゼロゼロ物件もありますが、賃貸物件にお住まいの方は敷金礼金を払っている人の方が多いのではないでしょうか。
実は、今まで民法には敷金の規定がなかったのですが、現在検討している民法改正の最終案では敷金の扱いが明文化されています。「敷金が戻ってくると思ったのに壁紙とフローリングの張り替えで、逆に10万円も請求された!」とトラブルに発展するケースもあったようですが、今回の民法改正でこのようなトラブルは解消されるのでしょうか?

そもそも民法とは、日常生活や経済活動を規律している法律で、国民生活にとってなじみの深い法律です。1896年に制定されてから120年近くが経過していますが、経済環境などが変わっているにも関わらず改正されてきませんでした。そこで、2006年に法務省が検討を始めてようやく今年最終案が固まったという経緯があります。今回の改正のポイントは以下4点で、そのひとつに敷金の明文化があります。
①法定利率の変更
②個人保証の制限
③敷金の明文化
④消滅時効の変更

敷金に関する改正案では以下のように規定されています。

●敷金
賃貸住居入居時の担保とし、契約終了時に返還義務が発生

●原状回復
借り手は通常の使用による傷や経年劣化を修理する必要がない敷金は家賃の担保になりますので、賃貸契約が終わったら丸々返却され、原状回復費用を敷金で精算することは勝手にできなくなります。原状回復の範囲も貸主と借主でトラブルになりやすい点ですが、これが明文化されればトラブルは減ると思われます。

これは普通じゃないの?と思われる方もいらっしゃる方もいるかもしれません。
実は、東京には同様のルールはすでに存在しているのです。東京都は、2004年に「賃貸住宅紛争防止条例」(通常“東京ルール”)を制定し、通常使用による経年劣化は貸主負担になるというルールを作っています。東京ルールでは、原状回復について何処までが貸主の責任か、何処までが借主の責任かを明記しており、壁紙、キッチンなどの設備、床材(フローリング・畳)、建具(ドア・窓)などについて意外と細かく規定されています。条例ですので東京都しか有効ではありませんが、この内容が全国に適用されることになり、トラブルが減るだろうと言われています。

法律の役割の1つは、ルールを明文化してトラブルを未然に防ぐことにあります。
上記は、個人の日常生活の話ですが、経済活動も民法の守備範囲です。弊社はソフトウェア販売、導入支援と保守サポートサービスをメインのビジネスとしておりますが、お客様とのお取引に当たって契約をさせていただいております。弊社では幸い訴訟に発展するようなトラブルは創業以来発生しておりませんが、プロジェクトの目的、役割分担を明確にすることでお客様の満足度を高めることができるよう、改めて契約手続きを見直しております。

今後、導入支援のご契約いただく場合には契約書・契約前提事項書をご提示し、契約内容について認識の齟齬がないようにお客様と合意しながら進めていくことになります。
法律の文言はなかなか馴染みにくく細かい規定も出てきますが、円滑なお取引のために何とぞご協力いただきますようお願いいたします。

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