2015.09.02

第233回 (A) 競技人口12万人、28メートル先にあるものは?

コンサルティングサービス本部 管理会計事業部 マネージャー 小川 明子

ご存知の方もいるかもしれませんが、弓道の射場から的までは28メートルあります。競技人口は全国で約12万6千人、男女比はほぼ1対1です。弓道自体は誰でも知っているものですが、目にする機会はそう多くはなく、少し敷居が高いと感じられている方もいるのではないでしょうか。実際、私もそうでしたが、社会人になって始めたところ周りに弓道をしている人があまりいないので少しご紹介してみたいと思います。

弓道の競技人口は、社会人が約44,000人(35%)、大学生が約10,000人(7%)、高校生が約61,000人(49%)、中学生が約11,000人(9%)となっています。高校生が一番多く全国で約2,000校に弓道部があるのですが、地域での普及差は大きく、愛知県では半数の高校に弓道部がありますが、東京都は約1割となります。実際は、私のように社会人になって始める方も多いようです。都道府県別での上位5位は、愛知県・神奈川県・北海道・埼玉県・東京都。東京都内には50以上の道場があり、道具を持って移動する人を電車などで見かけたことがあるのではないでしょうか。弓の長さは約220センチ、矢の長さは約90センチあるので、移動する時は少し目立ちます。弓道の大会や講習会、昇段試験なども多くあり、東京都内だけでも毎週のように何かしらの行事が行われています。

また、弓道競技では的に中たる(あたる)ことで勝敗を競うことが多いのですが、大会では的のどの位置に中たるかではなく、たいていは中たるか外れるかで競います。しかし、そもそもこの28メートル先の的にすぐに届くようになるわけではありません。初心者教室など、10回くらいの練習ではなかなか届きませんし、やっと的の近くまで届いても隣の的の方が近いこともありました。そして、最初の頃はやはり的に中てたいという気持ちが強かったのですが、次第に中てることが目的ではないことに気付きました。

そもそも弓道には競技と武道の二面性があり、競技としては中たりを競うものであり、武道としては「礼に始まり礼に終わる」というように礼を重視するものでもあります。 「弓道は和弓を用いて矢を射て的に中てる、一連の所作を通して心身の鍛錬をする日本の武道である」というように、精神性が大きいものであることを実際にやってみて知りました。

「何故、弓道をしているの?」と聞かれることがあります。 弓道の精神性が大きいところ、礼儀や型、心を重んじるところに魅かれているからです。 ただ中てることを目的とせず、むしろ中てるという邪心を捨て、所作はもちろん一緒に引く人と動作(呼吸)をあわせるような気持ちで臨むところや、そういう内面的な大切さを先生から教わり、人から人に語り継がれていくところに古き良き趣のある世界を感じます。 弓道を始めて何年たっても稽古をする度に未熟な部分を感じつつ、今は中たりにとらわれず自己の内面に向き合うことを心がけ、一射一射心をこめて丁寧に引くことを大切にしています。

また、弓道は仕事にも通じているように思います。私はDivaSystem SMDの開発に携わっているのですが、一射一射弓を引くときの気持ちと同じように、一つ一つの開発工程を丁寧に心を込めて作ることでより良いものができると考えています。プログラムを作り始めたばかりの頃は作ること自体が目的になっていたように思います。しかし、お客様に使っていただいてその声を聞いていくうちに、安心して長くお客様に使っていただけるものを強く意識するようになり、お客様に喜んでいただけることが一番の励みとなっています。一つ一つの開発工程でどのように使うかイメージし、要望を実現しながらも、使い勝手や将来的な変更可能性、お問合せや改修時のプログラムの読み易さなどに気を配り、それらの積み重ねを通してお客様の役に立って行きたいと思います。

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