2015.09.16

第234回 2020年のこだわり

プロダクト開発本部 プロダクト開発部 シニアマネージャー 上地 浩

日本を訪れる外国人観光客がかなり増加しているようです。私も夏休みに大阪、神戸方面に行ったのですが、観光地らしきところは、どこも外国人ばかりの状態で、数年前までとはすっかり変わってきているという印象を持ちました。

観光局のデータでは、2013年に、訪日外国人旅行者が1000万人を超えています。政府は、次の目標として、東京オリンピックが開催される2020年には、日本を訪れる外国人観光客の数を年間2000万人としていました。しかし、今のペースで増加すると、本年度中にもその目標にかなり近いところまでいきそうなところまできており、最近、その目標を大幅に引き上げ、3000万人にする、との発表がされています。

外国人観光客を国別に見ると、やはり中国が多いようです。円安のためか、いわゆる”爆買い”とわれている買い物が目当ての観光客が多いのだと思われます。しかし、割合的にはそれほど多くないものの、買い物ではなく、純粋に観光目的で、本当に日本に興味をもって訪問している外国人も多くなっているように思います。

日本製の自動車や電気製品などは、いままでもよく知られていたと思いますが、日本という国や文化に興味を持たれるのは、以前は、それほどではなかったように思います。

その変化が起こってきている理由として、インターネット技術の進歩を背景にした、市民レベルでの情報の発信が大きな影響を与えているように思います。Youtube等の動画サイトを見てみると、日本に観光にきた外国人や日本に住んでいる外国人が、日本のことを紹介した動画がたくさんアップされています。その多くは非常に好意的であり、日本という国に、彼らの常識では考えられない何かを発見し、驚きに近い感動を表現した紹介になっています。その感動が、Facebook等のSNSにより、口コミの形で、爆発的に紹介されているのだと思います。

それほど感動されるのは、日本人の価値観が彼らから見て非常にユニークなものととらえられているのだと思います。私たち自身は、ごく当たり前のように考えていることでも、彼らから見るとそれが非常にユニークに見えるのだと思います。島国であり、長い間鎖国していた時代があり、その後の時代においても、おそらく言語の壁が大きな理由だと思いますが、実質的には閉鎖的なので、その中で生まれる価値観がユニークなものになるのは、それほど不思議なことではありません。

長い歴史の中で作りあげられてきたわれわれの価値観は、日本企業の製品やサービスにおける、品質重視、顧客重視の考え方、に代表されていると思います。ものづくりや、サービスの提供において、細部にこだわり、徹底して取り組むというのが、われわれ日本人の共通の価値観として存在していると思います。つねにこだわりをもち、継続して改善していくことで、結果として洗練されたものができ上っているのだと思います。また、お客様との継続的な関係や、ひとつひとつ独立した仕事としてとらえるのではなく、全体のコンテクストを意識した仕事をすることにより、非常に調和的なものができあがっているのだと思います。

われわれの価値観は、ある種、合理的な考え方とは相反するものがあるように思います。結果重視の欲しい結果だけを示す考え方にはあまりなじまない考え方のように思います。価値観を大切にし、価値観を共有することで、途中のプロセスをしっかり確認し、まわりへの配慮をして、その自然な結果として、成果を出していくものだからです。

私の個人的な感想かもしれませんが、われわれの仕事のしかたも、国際化の流れの中で、少しずつ、合理的な方向に向きつつあるような気がしています。かつては、仕事においても、ひとつひとつの具体的な作業において、上司や先輩から厳しく細かい指摘をうけていた記憶があります。そのプロセスの中で価値観の共有や継承がなされていたと思います。最近は、そのような場面が、だんだんと少なくなってきているように感じます。なんとなく心配な気がしていますが、それも時代の流れなのかもしれません。

東京オリンピックが開催される2020年、日本がどのような国になっているか。そのときも、日本は外国の人に驚きを持って見られている存在であり続けることができるのか。私は、自分たち自身が大切なものを失わないように、また、その結果として、お客様に価値を提供し続けられるように、そういう会社でありたいと思っています。

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