2015.11.11

第238回 (B) スキー場再生から学ぶグループ経営の基本

コンサルティング事業本部 管理会計事業部 公認会計士 堀 哲也

地球温暖化、バブル崩壊、リーマンショックという外部環境の変化に伴い、すっかりブームの去った感のあるスキー業界ですが、実は「スキー場経営」の分野でも業績を向上させている会社はいくつか存在しています。なかでも、2008年からスキー場運営を開始し、現在は30近くのスキー場の運営を行っている株式会社マックアースが展開してきたスキー場再生戦略は非常に興味深いものとのなっています。同社がスキー場を甦らせる再生戦略の一端は以下のようなものです。

コストカット:
メーカー依存度が高く、コスト意識が存在していなかった調達戦略の見直し。国内ベンダーの言いなりだった器械や部品について、海外からのルート開拓も選択肢に入れて最適化。リフト整備の自前化等による外部支払部分の削減。

マーケティング、企画:
明確にターゲットを定めて、そこに集中的にマーケティング。19歳無料などの斬新な企画を実施。(大学や社会人1年目の19歳の時にスキー場に行かないと、一生スキー場に行かないケースが増えるそうです。20歳での再来場率が80%となり、企画としてはかなりの成功をおさめた模様です。)

既存資産、既存競争優位の有効活用:
各スキー場の個性を生かして収益力を向上。都心からのアクセスが良い場所、特に既存でナイター設備があったスキー場ではナイター営業を強化。

書き出していけば、もっとたくさんあるのですが、今回着目したいのは、こういった様々な再生戦略を考えるアイデアの源泉が、「多数のスキー場を運営していくことで、あるスキー場の良いところを別のスキー場に落とし込んでいくかたちで、グループ全体の底上げを図る」という部分、すなわち、「情報の共有⇒ノウハウの蓄積⇒グループ経営の高度化」にあるという点です。

スキー場経営というのは、各市町村単位で実行されていたため、立地や設立の経緯の関係でスキー場間での情報共有が少なく、ノウハウが蓄積されないことが多かったため、各スキー場単体では存続困難に陥ってしまうケースが多かったのですが、実は、情報共有を促進し、ノウハウの共有を進めることで、現在の環境下でも事業としての収益改善が可能であることが立証された形になります。

弊社のビジネスは連結経営という分野ではありますが、情報の共有を促進しノウハウを蓄積していくことで連結経営の高度化を実現していくという点では、本質的な部分で同じではないかと感じでおります。弊社のお客様が直面している課題は多種多様ではあると思いますが、どのような課題であっても「情報の共有⇒ノウハウの蓄積」を通じて、連結経営の高度化を実現していけるよう、日々の業務に邁進してまいります。

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