2015.12.24

第241回 ビットコインが開示業務を変える?

プロダクト開発本部 プロダクト開発部 マネージャー 中谷 泰俊

ビットコインという暗号通貨について耳にしたことがある方は多いと思います。近年このビットコインを支えるブロックチェーンという技術が別の用途にも使えるのではないかということで応用が進んでいます。

ビットコインとは何かを端的に説明すると、全世界で共有された単一の総勘定元帳のようなものがあり、そこへの記帳が全世界の参加者に承認され署名されることにより、改ざんを防ぐ仕組みであると言えます。この元帳のページをブロックと呼んでおり、ブロックのつながりで表される元帳の全体をブロックチェーンと呼んでいます。

このブロックチェーンの技術を株式に応用する構想が進んできており、東証やNASDAQなどの従来型の中央集権型の取引所を経ることなく株式を一般公衆に事実上公開できるようになってきています。そうなってくると、一般投資家の保護を目的とした有価証券報告書は一体どうなってしまうのだろうか?また、連結財務諸表の開示はどのようになってしまうのか?という疑問がわいてくることと思います。

ビットコインの場合はこの総勘定元帳に記入されるのがコインの所有権という事になるのですが、これを株主の権利の移転に応用したのがブロックチェーン型の株式の公開ということになります。これは実際に決済をどのように行うかを検討する段階に入っており、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)・ユーロクリア・LCH.Clearnet・ロンドン証券取引所・ソシエテジェネラル・UBSはクローズドなネットワークを想定しつつも次世代の決済方法の検討を始めています。また、Nasdaqは先日ブロックチェーン技術を応用した未公開株の取引システムであるNasdaq Linqを発表しており、Chain社が開発に参加しています。
そのほか、Overstock社のtØなどもブロックチェーン技術を利用した株式公開の仕組みを作っています。

さらに深い応用としては、株主総会そのものもブロックチェーンを通したものとすることが考えられ、委任状による投票権の譲渡もブロックチェーンを通して行ない、投票もこの仕組みを利用したものにすることが考えられています。

ブロックチェーンを使った株式公開の仕組みが今後広まるかどうかは分かりませんが、少なくとも10年後20年後の株式公開の仕組みは現在のものとはかなり異なったものになるかもしれません。
将来の仕組みがどのような形をとるにせよ、一般投資家の保護がないがしろにされることは考えられず、何らかの形で現在と同じような開示の制度は必要になってくるだろうと思います。ですが、それは今の開示制度と全く同じではないことは間違いないでしょう。
仮に中央集権的な権威が存在しない場合は、レストランサイトの星のような形で開示業務が評価されることになるのかもしれません。また、一般投資家が直接的に市場にアクセスするとなると証券会社の役割も変わらざるを得ないでしょう。仮にそのようになった場合は、開示業務の重要性は増すことはあっても減ることは考えにくいでしょう。

10年後、20年後の開示業務がどのような形になるにしても弊社はお客様の役に立つサービスとアプリケーションを提供し続けたいと考えております。

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