2016.02.03

第244回 (A) 夏は涼しく、冬はあたたかに

コンサルティングサービス本部 マネージャー 割田 隆之

年が変わる頃までは暖冬だと見込んでいましたが、日本全国寒気が覆い冬らしく冷え込む日々が続いています。底冷えする街角で冷たい風にあたると、ふらっと入りたくなりませんか、立ち食い蕎麦屋さん。最近お世話になっているお客様の最寄り駅にて素敵な出会いがありました。

蛸とじゃが芋のかき揚げそば。
季節モノ、またじゃがいもに目がない私は迷わず、温かいお蕎麦を注文します。あったかいおつゆを啜りほっと一息、湯気でメガネが曇ります、嬉しい歓迎です。揚げたてで角がカリッとしたじゃがいも、出汁でしっとりしたじゃがいも、どちらもタマラズ思わず笑顔がこぼれます。蛸とじゃがいもの旨みと紅ショウガのアクセントが食欲をそそり無我夢中になった後の小休止と満足感。すばらしいごちそうでした。数分の立ち寄りでしたが、高い充実感と共に気分が高揚し意気がみなぎりました。

この小さな出会いから自分への投げかけが始まりました。これに共感できる方は如何ほどいるのだろうか、なぜ強い感動がうまれたのか、どうしたら他の方に同様に感じてもらえるか等々です。元来好きな食べ物を、寒い中であたたかく食したら、高い満足感を得るのは当然といえば当然でしょう。しかしながらこの「当たり前」はそもそも何をもって当たり前なのでしょうか。テーマを仕事に置き変えて同じ問いをしてみると簡単ではない場面は多々あります。

現在、私は主に海外で実施される連結決算システム導入の提案/提供を担当しています。そこでは日本においてベストだと思えるサービスやアプローチがそのままではフィットしないという場面に遭遇することがあります。それは受け手のお客様が心地良いと感じていただける点が、日本のお客様と必ずしも同じではないからです。

たとえば、提案のアプローチでは、日本では複数の選択肢をご提示してお選びいただくことを好まれるケースが多いように感じていますが、海外(特に欧米)ではプロフェッショナルとしてベストだと思われる選択肢をご提示することが好まれます。

受け手の心地良さに関する想像は、自分達の経験やノウハウをベースに、相手のことをよく理解したうえで仮説を立てて、試行錯誤しながら改善を図ることが大事であるようです。国内での活動自体も他者に向けた提案活動であり、お客様のニーズ探究活動を行うことは殊更新しいことではありませんが、そのニーズの背景としている彼我の環境や文化が異なると少し違った次元で頭やこころの体操が必要になるように感じています。

Think Globally, Act Regionally (Locally)と言われて久しいですが、ビジネスにおいて自分たちのコアコンピタンスはそうそう変わるものではありませんし、急激に改めるとリスクもありそうです。現段階での弊社の状況としては、視座は世界規模で持ちながらも、深い自己洞察及び他者観察(理解)により本当に必要なものに削り込む引き算の能力と、それを相手次第でアジャストする足し算や掛け算の能力が必要になるように感じています。噛み砕いて、Look Globally, Think Essentially, Act Regionallyと言えるのかもしれません。これは世界を知ることで自分を知ることができ、自分を知ることでより世界と渡り合うことができる循環がありそうです。対人の活動を円滑に進めるためにも、自他共における歴史、文学、流行カルチャー等を貪欲に勉強し続けていきたいと考えています。

我々の強みは何なのか、どうしたらもっとお客様のお役に立てるか、毎日自問自答をしながらプロジェクトの推進とソリューションの開発を行っています。システム導入や新業務の教育活動は、業務効率を改善するに留まらず、お客様の人間関係やビジネスを濃密・円滑にすることができます。現在、海外連結経営でお困りやお悩みのことがあればお気軽にお声掛けください。まずはご相談からお役に立てればと考えています。

なお、タイトルは、日本の営みにおける生きた知恵の宝庫である、茶道、利休七則からの引用になります。

茶は服の良きように
炭は湯の沸くように
夏は涼しく 冬はあたたかに
花は野にあるように
刻限は早めに
降らずとも雨の用意
相客に心せよ

日本では暦の上でも少しずつ春の足音が聞こえてきました。このあたらしい一年が皆々様にとって幸せと安寧にあふれたときになりますよう、心から祈念します。

合掌

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