2016.06.29

第255回 (B) なぜプロジェクト費用は進めば進むほど高くなっていくのでしょうか?

コンサルティングサービス本部 コンサルティングサポート室 マネージャー 安斉 武

最近、知り合いから、「なんでシステム導入は見積金額の倍の金額になるのかわからない。」と愚痴をこぼされることがあります。確かに以前から 「222の法則(※1)」とか、「2423の法則(※2)」とか言われます様にシステム導入プロジェクトの費用が想定の2倍になったなどと聞くことがよくありますし、実際そうなったプロジェクトも経験もしてきました。

そんなに費用が増大しなければ完成できないのでしょうか?

私の前歴ではありますが、コンサルティングファームで、ERP導入や、ハンドメイドでの業務システムの構築プロジェクトのインフラ担当として参画し、その後、ハードウェアベンダーへ転籍して、プロジェクトマネージャを経験しました。確かにコンサルティングファームで担当していたプロジェクトでは、初期見積の大よそ2倍くらいの費用で着地するケースも多く見られました。しかし、ハードウェアベンダーではプロジェクト費用が変動することはあまりなかったと記憶しております。

どこがどう違うのでしょうか?

いろいろと思い出してみると、ハードウェアベンダーでのプロジェクトは、営業段階、またはプロジェクト初期段階に想定されていた内容と、プロジェクト終了後の内容に違いがあまりなく、コンサルティングファームで参画させて頂いたプロジェクトでは、色々と違ったものになっているケースが多く見られた様に感じます。

なぜ違いがあるのでしょうか?

ハードウェアベンダーのときのプロジェクトがあまりプロジェクト費用に変動の無い理由の1つは、最近のハードウェアの多くは、仮想技術(プライベートクラウド)やプロビジョニング技術の普及で、共有インフラとして構成するケースが多く、システム単体でハードウェアを構成することは非常に少なくなりました。そのため、個々のプロジェクトで変動しても、それに耐えうる構成をあらかじめ想定しているケースが多いため、プロジェクトの変動による影響が少なかったのだと思います。また、ハードウェアについては、実現ができないようなことは事前に確認していますので、プロジェクトが始まってから発覚することもほとんどありませんでした。一方、業務アプリケーション導入プロジェクトの場合、通常のケースですと、ベンダー選定/発注、要件決定設計、実装、テストを経て本番稼働となります。つまり、初期費用は要件を決める前のものですので、ある前提(制約)を付けた見積もりになります。しかも人間の色々な心理が働き、その見積もりは最少の見積であることがほとんどです。この見積が基準となり、そこから要件を定義して、前提と実態の違いが金額に現れ、設計/開発/構築、それぞれのフェーズで想定していない事象が発生し、その対応により、更に金額が大きくなり、その対応の影響で、後にまた問題が生まれ…と徐々に高額なプロジェクトになっていくのだと思います。

そうならないためにはどうすれよいのでしょうか?

おそらく、どなたに質問しても、答えは「ない」と思います。それぞれ企画、要件定義、設計、運用とそれぞれ担当される方の要望があり、更に利害が絡むことで色々な力が加えられ、想定通りにシステム構築をするのは非常に困難だと思います。しかし、最初の見積の精度をどう上げていくかという点では、関与すべき人が事前にどれだけ議論(準備)し、イメージを共有できたかでかなり違ってくるはずです。弊社では精緻な見積をご提示できる様尽力致しますので、ぜひ些細なことでもお声をおかけ頂ければと思います。また、そのような関係になれるように努めたいと思います。

※1 222の法則 2倍の費用と2倍の時間がかかって、成果は1/2で完了するという法則
※2 2423の法則 契約当初2の要件が要件定義で4になり、受注者は4の作業で請求をしたら発注者から3の金額で対応する様にといことで話は落ち着くという法則。発注者は2の費用が3になったことに不満を持ち、受注者は4の作業を3の費用にされたことに不満を持つということ。

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