2017.02.08

第271回 (A) 子育てと人材育成

プロダクトソリューション事業本部 CPM事業部 コンサルティング部 第2グループ長 影山 正樹

子どもをどのように育てていくべきかですが、一社会人として自分自身で考え、学び、社会に適応して生きていくことができる人に育てることを目標としたときに①主体性、②自尊感情の2つを育むことが重要になるそうです。

①の主体性には自分の思い通りにしたいと思う主体性(自己中心的・感情的な気持ち、子育てでいえば過干渉)と、他者の願うようになりたいと思う主体性(利他的・依存的、子育てでいえば過保護)の2つがあり、これらをバランスよく保ち、相互主体性や自律性を持たせることが必要と言われますが、過保護過ぎてもだめ、過干渉過ぎてもだめ、適度に、と言われても難しいですよね。

理想的なのは、人の喜びが自分の喜び(他者の欲求=自身の欲求)になる関係性が良いといわれています。例えば、子どもはご飯が食べたいと思っても、ご飯の前にお片づけをしたり手を洗ったりすることで親や保育者が喜ぶ→親や保育者が喜ぶことは嬉しいからやる、といったような関係性です。自分の欲求と規範(禁止と命令)との葛藤の中で、人の意識構造の主体性の核が養われ、自分の欲求を抑え他者と仲良くすることに喜びを持つことで自律性が育つそうです。

ただし、この関係性を作るには基本的信頼感(パパ、ママ大好きという感情のようなもの)が前提です。基本的信頼感が養われるのは2歳からといわれていますので2歳までは意識的な過保護(子どものしたいようにしてあげる)を行い、信頼関係の構築を優先することが必要です。その後は身近なことで認める、褒めることを繰り返すことで、他者に喜ばれることが自分の喜びになるそうです。下記は具体的な例です。

・身近な役割を与えたり身近な目標を与えたりする

→達成したら褒める

・身近な質問をする

→答えられたら褒める。褒める機会を増やす意味もある

・命令口調ではなく、信頼感を持った人の欲求を大事にする

→「片付けなさい」のような命令でなく「片付けてくれると嬉しい」といった語りかけ

・一方的な命令ではなく選ばせる

→「勉強しなさい」ではなく、「10分後に勉強する?それとも20分後に勉強する?」といった語りかけ。 自身が選択することで主体性が生ま れる

・やらせるのではなく、一緒に取り組む(感情の共有化)

→一緒に片づけする、一緒にご飯を食べる等

・極力怒らないで済む環境にする

→壁に落書きしないように、書くものは子どもの手の届くところに置かない等

この、褒める、認めるといった行為や感情の共有化から自己肯定感や生活の満足感が得られ、結果として②の自尊感情が養われるそうです。そして一番大事なのは、主体性や自尊感情は環境に依存する、つまり親や保育者の役割だということです。子育てに正解はないですし、そう簡単に上手くはいかないのですが、子どもが立派に社会で生き抜く力を養うことが親の責任であり、そのためには親自身もどうあるべきか考え、継続的に実践していく必要があると感じました。

このしつけの話を聞いてふと、ビジネスシーンにおける上司と部下の関係や人材育成と同じなのではないのかと思いました。

社員をどう育てるべきかですが、私としては社員自身の欲求よりも社会のため、会社のためになることに喜びをもち、一社会人として自分自身で考え、学び、道を進んでいける、つまりは主体性を持ってもらうこと、そのためには仕事への満足感を得てもらうこと(自尊感情)が必要なのではないかと考えます。

主体性は、自分の思うようにしたいと思う主体性(お金がほしい、楽しく仕事がしたい、早く帰りたい等)と他者の願うようになりたいと思う主体性(お客様や社会への貢献や組織への帰属意識)のバランスが大事なのだと思います。

社員の主体性を育むためには基本的信頼感が大事で、上司と部下の信頼関係がなければ成り立ちません。言っている内容は同じでも、信頼している人から言われるのと信頼していない人から言われるのとでは受け取り方が違うのと同じです。

そのためには身近な役割を与え、褒める、認めることによって成果を達成する喜びを与え、一方的にやらせるのではなく上長自らがお手本となって実践したり、一緒に行動したり、選択肢を与えて意思を尊重してあげたりということが求められると思います。これも同じく主体性を持つ社員の育成は上司の役割であるはずです。

様々な仕事がコンピュータに置き換わっていく現代において、社員の力、成長こそが今後の企業のコアコンピタンスになると私は考えます。

「人を育てる」ということ。とても難しく責任も重大ですが、会社で部下を持つ身として、親として、自分自身も主体性を持って一緒に学び成長していきたいと思います。

MAIL MAGAZINE

メールマガジン

NEWS

ニュース

SEMINAR / EVENT

セミナー / イベント

セミナー/イベント一覧を見る

お問い合わせ