2017.07.19

第282回 (A) 将棋と会計をAIで連結してみました

プロダクトソリューション事業本部 連結会計事業部 連結会計コンサルティング1部
第4グループ長 山室 鋭雄

大盛冷やし中華、豚キムチうどん、肉ぶっかけそば、汁なし坦々麺・・・。何の話かここでピンときた方も多いのではないでしょうか。14歳のプロ棋士藤井聡太四段がデビュー以来歴代1位の29連勝を達成しました。藤井四段が注文した食事が連日メディアで取り上げられるほど、今将棋が大きな話題となっていて、小学校以来、将棋を打っていなかった私がミニ将棋盤を購入するに至るほどです。もう1つ私が将棋に興味を持った出来事に、今年の4月に行われた電王戦があります。将棋AIの「ポナンザ」が現役最高位の佐藤天彦名人に勝利して、これも大きな話題となりました。(余談ですが、「名人」の称号を最初に授けた徳川家康にちなみ、この対局は日光東照宮で行われました。)

10年前に誕生したポナンザは、八枚落ちという最大限レベルのハンデでも負けるほど弱いプログラムだったそうです。そのポナンザが最強将棋プログラムとなったのは「機械学習」という手法を利用したことが起因しています。ある局面を与えられた時、コンピュータは一手先の全ての展開を「探索」し、それが好手かどうかを「評価」しますが、その評価方法を人の手で調整するのではなく、5万局にものぼる過去のプロ棋士による棋譜を利用して調整することで、初期ポナンザはプロ棋士と同様の手を高確率で打てるようになりました。プロ棋士が打った、或は打たなかった一手を教師データとして自ら学習したのです。この教師あり学習に加え、ポナンザ対ポナンザの自己対戦を700万局行い、その一手が最善手であったのかそうでなかったのかのフィードバックで評価を強化することによって、最強将棋プログラムはさらに学習を重ね、ついには名人に勝利したのです。ゲーム界AIの進化はチェス、オセロ、将棋と進み、コンピュータには不可能と言われていた囲碁の世界でも人間を上回りました。囲碁の局面を「画像」と捉え、画像判定に利用されるディープラーニング(機械学習の一種である深層学習)で学習したという話は大変興味深いものです。

先日、私の所属する連結会計事業部の全体会議の場で、「夢の連結会計システム」についてディスカッションが行われました。

・種類の異なる個別会計システムから自動でデータ連携してくる

・過去の取引データから最善なマスタ/パラメタを設定する

・必要な補正仕訳を起票して適切な連結財務諸表を作成する

実現可能性を設けない場だったので、「自動で有報(有価証券報告書)を作成する」という意見まで出ましたが、皆様は不可能だと思われますでしょうか。最初から全自動で有報までの作成は無理でも、プログラムの自動生成・検証をAIが行う、過去の膨大な連結処理結果から最適候補となり得るマスタ/パラメタ値の候補を挙げシミュレート結果を提示してくれるなど、そう遠くない未来にAIが連結会計の分野で活用される日が来るものと私は思います。とは言え、本日時点でのDivaSystemではその準備が整っておりませんので、それこそ機械的ではない血の通ったコンサルティングを引き続きご提供させていただく所存です。

参考文献:山本一成著 『人工知能はどのようにして「名人」をこえたのか?』

MAIL MAGAZINE

メールマガジン

NEWS

ニュース

SEMINAR / EVENT

セミナー / イベント

セミナー/イベント一覧を見る

お問い合わせ