2017.07.19

第282回 (B) インドの歴史的な変革の日:変わるもの、変わらざるもの

CPM事業部 開発統括部 開発統括部長 三宅 良和

最近、仕事の関係でインドへ訪れることが数回ありました。その中で2度、インドの歴史に残る瞬間?にたまたま居合わせることになりました。2016年11月9日と2017年7月1日、何の日だったか覚えている方はいらっしゃるでしょうか?

一つ目の2016年11月9日ですが、世界的にはトランプ大統領の勝利が確定した日としてのほうが有名だと思いますが、実はその日、インドでは突然の高額紙幣(500ルピーと1000ルピー紙幣)の利用停止が執行された日でした。

現地時間8日午後8時にモディ首相からの突然の発表があり、9日、10日はATMの全面停止で、10日以降に銀行窓口で交換するという、あまりにも唐突な発表で現地の生活は混乱の極みでした。新紙幣の供給が始まった日からATMには長蛇の列で、数時間並んだとしてもATM内の紙幣が無くなって引き出せなくなる人が多数、中央銀行には丸一日以上の待ちとなる行列、インドの街角では現金商売がまだまだ主流のため、仕入れ用やおつり用のお金が用意できず閉店する店がほとんどでした。

偽造紙幣やブラックマネーの撲滅など、GDPの数十パーセントとも言われている地下経済をあぶりだすためと言わるこの施策、事前準備などを阻止するため、実施まで4時間というタイミングで発表され、その情報はほぼまったくといっていいほど漏れずに進められていたのでした。

二つ目の2017年7月1日ですが、これは事前に発表があったものですが、ぎりぎりまで調整されていたインド統一のGST(商品サービス税)の一斉導入の日です。インド独立以来、最も歴史的な税制改革とも言われている、11年越しの議論の末の改革です。なお、この法案がインド下院を通過したのが2017年3月29日。これは英国のEU離脱通知の日でもあり、何かの歴史的因果を感じます。

インドは29州の自治権が強く、複雑な税制が残っていました。たとえば、ある物品を州をまたいで別の州に届ける際、通るルートによって、それぞれ税率が変わる、また州をまたぐ際に賄賂が要求される場合があるなど、流通業、製造業には膨大な時間とコストがかかる仕組みとなっていました。この簡素化はそれだけでGDPを数パーセント押し上げる効果があると言われています。

どちらも現モディ政権の経済改革、貧困対策、地下経済対策をもって強いインドに変えていく断固たる意志を感じた次第です。

このような二つの歴史的瞬間に居合わせたのですが、なぜか現地の人は色々な話はしているものの、文句を言ったり、うろたえたりなど、そのような人はほとんど見かけませんでした。大きな変化への対応を自分の目で見たとき、インドの人たちの柔軟さ、寛容さに驚くとともに、なぜそのようになるのだろうと、これまでの経験を含めて自分なりに色々考えてしまいました。

インドの日常生活は、日本人から見るとルールがどうなっているのかさっぱり分からないのです。ある程度、一定の方法はあるものの、人によって全然違うこともしばしばで、驚き(混乱?)の連続です。

もともと独立色が強い州制度、州の公用語だけでも18種類もある多様性で、文化、食べ物も結構違いがあります。これらの違いを多種多面に日々経験しているからこそ、目の前の予測不能の事態が起こった時も動じない、冷静な(もしくは適当な、ともいうかもしれない)対応が普通になっているのでしょう。

日々、状況次第で時々刻々と変わりゆくことが日常の景色、そんななかで暮らしていると、先の2回の歴史的瞬間でも暴動がおきることもなく、ただATMに淡々と並んだりしている心情が少しわかるような気がしました。

ただ、その説明だけでは素直に納得することはできない。本質的に変化に強いのはどこから生まれるものだろうと。

それは、自分自身の変わらない軸を持っていることではないかと思いました。

インドの人たちは家族、友人を含め、人間関係を非常に大切にします。家族(両親や兄弟なども含め)と一緒に暮らすために勤務場所を変えるのは当たり前で、若いころに少し経験を積むために別の場所、海外に行っても地元に戻るパターンが圧倒的です。仮に海外にいてもネットワークを非常に大切にされています。このように何があってもブレない軸、戻れる場所をもっていることが心の余裕を生み変化に対応できるのではないかと。

いま、日本も急速に変化の波が押し寄せています。産業構造の変化、人口動態の変化、価値観の変化、自分自身の子供のころとは比べられないほど世界の動きにあわせて急速にさまざまな波が押し寄せてくる中で、それにうまく対応しながらも流されはしない、そのようなバランスが求められているのではと思っています。

このような時代、経営環境もめまぐるしい変化にさらされています。

お客様の事業変化をグローバル規模でいち早く察知し変化への対応を支援する、経営者・事業者の右腕となるよう、弊社の製品やサービスが進化・変化を遂げていくこと、これが我々ディーバに求められた使命と考えております。我々ディーバ自身の変わらない軸を大切にしながら、より良い製品・サービスを提供しつづけるべく強い意志でチャレンジを続けてまいります。お客様の変化への対応を全力でサポートするパートナーとして今後もよろしくお願いいたします。

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