2018.08.22

第309回 経理業務をAIに取って替わられないためには?

カスタマーエンゲージメント本部 マネジメントコンサルティング部 部長 尾上 徹

人手不足、働き方改革、AI、ロボティクスなどの技術革新といった経営環境の変化によって、経理部員はコンサルティングが出来ないといけない時代が来るかもしれません。ここで、その背景と必要とされるスキル等について、深堀したいと思います。

 

1.なぜ、経理部員にコンサルティングスキルが必要になるのか?
背景については、①経営環境の変化と②経理部門の変化が挙げられると考えます。


① 経営環境の変化
周知の事実の部分もありますが、現在の経営環境は以下のように変化してきています。

  • 労働人口の減少 :よい人財は獲得競争になり、採用が難しくなる。
  • 働き方改革 :生産性を高め、労働時間の短縮が求められる。
  • ダイバーシティ :性別・人種・内部/外部を問わず、チームとして成果を出すことが求められる。
  • 経営からの要請 :制度対応は当たり前、+αの付加価値が求められる。
  • 複雑なビジネスモデル・契約 :世界中で発生する複雑な事象・取引にスピーディに対応することが求められる。
  • 会計制度・ルールの高度化 :専門知識・スキルがなければ対応できない。
  • ビッグデータ・アナリティクス :今まで見えなかったものがみえるように。
  • ロボティクス・AI :人の仕事が機械に置き換わっていく。


② 経理部門の変化
今後、経理部門は以下のように変化すると考えられます。

  • 人手をかけない決算が当たり前になる。ロボティクスやAI等を有効利用して決算作業を行うことが当たり前になり、決算作業における人手による作業割合が少なくなる。
  • 複雑なビジネスモデル・契約・会計制度・ルールの高度化に伴い、高度な専門家が、グループ全体の会計的な判断を支援する重要性が増加する。
  • 会計プロセスは一度出来たとしても、ビジネスや組織の変化などによって、機能しなくなるなど課題が常に発生する。このため、各会計プロセスを維持管理する役割とグループ全体で発生する課題に対応する必要がある。そこで、会計専門家や各業務・決算プロセスを管理する他に、グループ会社全体の課題解決を行うコンサルティングの役割が重要になってくる。

 

2.経理部員がコンサルタントになるには?
それでは経理部員がコンサルタントになるためにはどのようなスキルやプランが必要でしょうか。


① 求められるコンサルティングスキルとは?

経理部門の変化に合わせて、コンサルティングスキルが備わった経理部員を育てることが重要になります。ここでいうコンサルティングスキルは、問題や事象を構造的に考えて、シンプルに伝えて、解決に向け導くというスキルが必要となってきます。具体的には、表面的な発生原因にとらわれず、課題がどのような因果関係で発生しているかを事実をもって明らかにして、必要な打ち手を明確にし、関係者に理解してもらえるように伝え、協力・支援を得て、解決までの道筋を計画・実行していくスキルとなります。


② コンサルティングスキルを身に着ける困難さ

一般的に仕事には経験と知識で出来る場合も多く、経験と知識から答えを導く癖が出来てしまって問題や事象を構造的に考えることにシフトチェンジが出来ないということが多く見られます。私自身、昔は経験と知識で仕事をしていたので、シフトチェンジには苦労しました。役職者の方であれば、殆どの場合備わっているスキルですが、体系立てて獲得したというより、もともとの素養と経験で自然にスキルを身に着けたということが多いようです。


③ コンサルティングスキルを身につけるキャリアプランが必要

これからは、コンサルティングスキルが備わった経理部員が必要ですが、外部から採用と自然発生を期待するには限界がありますので自社で育てることが必要となります。素養のある部員の選抜と経理知識を身に着けるフェーズ、コンサルティングスキルを身に着けるフェーズを体系立てて計画し、育成する必要があります。現状、決算作業だけでも大変なのに人材育成まで考慮できないと思われる場合も多いと思いますが、人材育成は時間がかかるものですので、決算効率化といった目に見えるものと同じように考えていかないといけないのではないでしょうか?

 

以上、外部ではなく、内部から育てるべきとお伝えしましたが、どうしてもそこまで手が回らない!ということでしたら、是非とも弊社にお気軽にご相談ください。弊社の精鋭達が御社へお伺いして、お客様とともに課題を解決いたします。

MAIL MAGAZINE

メールマガジン

NEWS

ニュース

SEMINAR / EVENT

セミナー / イベント

セミナー/イベント一覧を見る

お問い合わせ