第310回 (B) 仕事がなくなってしまうかも…
経営管理統括部 事業支援室 IT企画グループ マネージャー 安斉 武
RPA(Robotics Process Automation)は、PC(デスクトップ)の作業を自動化するためのソフトウェアロボットで、日本では2013年ころから話題になってはいましたが、ここ最近の急激な進歩で、多くの企業が導入を進めていて、約60%の企業が導入済み、もしくは検討しているようです。(総務省メールマガジン:「M-ICTナウ」より)
弊社でもRPAを試験段階ですが導入しました。今後は、社内でどのように展開していくのか検討していく必要があると考えています。そんなときに、RPA、AIに明るい方と会話する機会があり、その中で、RPAを導入するにあたり、何を考えるべきかを尋ねたところ、以下のようなことを指摘されました。
まず、RPAを導入するためには、「どの様なメリット、デメリットがあるのかを理解する必要がある。」とのことで、いろいろと調べてみると、おおよそ以下のようなこととなるようです。
<メリット>
1.品質の向上(ミスの抑止)
2.労働力の削減(単純労働からの解放)
3.作業速度の向上(処理件数の向上)
4.24時間稼働(残業抑止)
5.作成が比較的容易(複雑なプログラムは不要で短期間導入が可能)
<デメリット>
1.業務停止のリスク(動作しなくなると業務が止まる)
2.誤動作のリスク(誤った操作で実行するとひたすら続けてしまう)
3.ブラックボックス化(いろいろなRPAを作成してどのように構成されたかがわからなくなる)
4.不正アクセスのリスク(ID・パスワードを埋め込むため、その情報の流出)
簡単に作れてしまう分、統制が取れていないと後になって後悔することになるだろうということで、教訓にしたいと思います。更に、「RPA導入の先(数年後)で、自分たちがどうなっていたいかを想像する必要がある。」との指摘を受けました。
RPA、Bots(チャットロボット)、AIを組み合わせることで、今後はより複雑な作業の自動化も可能となり、ロボットに置き換えられる仕事の範囲がどんどん拡大されていくと考えられています。そのような環境で、どのようにして人の価値を出していくか考える必要があるとのことでした。
今まで、人と競争し切磋琢磨しながら技術を習得しながら仕事をしてきました。それが、今後の相手がロボットになりかわるかもしれないと思うと悲しくなりますが、現実問題として自動運転タクシーのテストが開始されるなど、これからの自動化への変化は今までより加速していくと思われます。ロボットとどう共存していくべきかはわかりませんが、いろいろな面から備えていくことは重要だと感じました。