2007.10.19

第35回 企業結合会計

公認会計士 斎藤 和宣

会計基準のコンバージェンスのテーマの一つである企業結合会計について、先日10/16に企業会計基準委員会(企業結合プロジェクト・チーム)から、「企業結合会計に関する調査報告-EUによる同等性評価に関連する項目について-」とその要旨が公表されました(あくまでもプロジェクト・チームからASBJへの報告であり、ASBJの公式見解ではないとされています)。
この要旨をみてみると日本基準とIFRS・SFASとの間において下記の相違点・論点が整理されています。

•企業結合の会計処理(持分プーリング法の取扱い)
日本基準では持分プーリング法で処理するケースも想定していますが、実際に適用したケースは少ないようです。そのため、濫用がないのであればそのまま残すべき、あるいはいっそパーチェス法に統一すべきという両面からポイントが挙げられています。
•株式を対価とする場合の対価の測定日
日本基準では合意公表日前の合理的な期間における株価とされていますが、 IFRS・SFASでは取得日の時価によるとされています。取得日を時価とした場合には、その日まで、のれんの額が確定せず、実務に与える影響が大きいとの声も紹介されています。
•負ののれんの会計処理
日本基準では正ののれんと同様に20年以内で規則的に償却することとされていますが、IFRS・SFASではまずは資産・負債の評価をし直すことが必要で、それでも発生するようであれば当該期の利益として処理することとされています。正ののれんとの対称性をどれだけ重視するかがポイントのようです。
•少数株主持分の測定
日本基準で部分時価評価法が認められている点を除けば、考え方(少数株主持分は時価で測定)は近いものと思われます。
•段階取得における会計処理
日本基準では過去から取得している株式の累積原価が投資額とされますが、 IFRS・SFASでは支配獲得日の時価で再評価されます。このテーマは企業結合にとどまらず持分法の考え方や関連会社株式のB/S価額など、論点が広がりそうだとされています。
•外貨建のれんの換算方法
日本基準では発生時の為替相場で換算(のれんは確定)しますが、IFRS・SF ASでは決算日の為替相場で換算されます。のれんを被取得企業の資産と考えるか否かがポイントとなりそうです。
まだ結論がでるまでには時間がかかると思われますが、全体的には、日本基準の論拠が合理的である側面があるなかでコンバージェンスを進めていかなくてはならない、という論調で報告されていると感じました。

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