2007.11.16

第37回 国際会計基準をめぐって

公認会計士 斎藤 和宣

世界でも広く受け入れられてきている国際会計基準(国際財務報告基準(IFRS))は、会計基準のコンバージェンスでも中心的な存在になっているように見えますし、2009年からは企業がEU域内で資金調達をする場合には従わなくてはならないなど、非常に注目を集めていると思います。先日11/8の日経新聞に「国際会計基準作り-日米欧当局が監視-国際組織を「けん制」」との見出しの記事が掲載されていました。そのもととなる金融庁の発表をみると下記のような趣旨の取組みについて述べられています。

そのタイトルは「IASC財団のガバナンス向上に向けた市場規制当局による取組み」とされ、欧州委員会、金融庁、IOSCO、SECが、IFRSの設定主体である国際会計基準委員会(IASB)及びその母体となるIASC財団の説明責任を強化することを目的に掲げています。IASC財団に対するモニタリングを強化するための「モニタリング・ボディー」を設立することを提案しており、それによりガバナンスを向上することでIFRSに対する公の信用を高めることにつながるとしています。

文字だけを見ると、上記のように適切な国際的会計基準の構築ができることを目的としているように見えますが、これらの背景には、その適用方法によっては企業が破綻に追い込まれることもありうるほど影響力のある「会計基準」というものがあり、その中でもグローバルで大きな存在となってきたIFRSに対する国の関与を強め、基準作りに影響力を及ぼしたいという意図が感じられます。

また異なった見方をすると、もともと各国の会計基準に対する各国の影響力があったのを前提に、最近のコンバージェンスの流れの中で相対的に米国、日本の力が弱くなり、欧州の力が強くなったことに対して、その状況を打開するための米国と日本の思惑があるのではと想像することもできます。

特に日本の場合には欧米の会計基準との相違点が多く、IFRS等への統合の可能性が大きいかもしれないことを考えると、企業会計基準委員会(ASBJ)を通じた関与に限らず、影響力を増したいと考えるのは普通なのかもしれません。

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