2006.07.28

第4回 親子会社間における会計処理の統一

公認会計士 斎藤 和宣

連結決算における親子会社間の会計処理統一に関して、実務対応報告第18号「連結財務諸表作成における在外子会社の会計処理に関する当面の取り扱い」が公表されています。この中では、同一環境下で行われた同一の性質の取引については会計処理の原則及び手続きは統一しなければならないとする原則的な取り扱いに触れた上で、当面の取り扱いに言及しており、国際財務報告基準や米国会計基準に準拠して作成されている場合には、それらを連結決算手続上利用できることとしています。

その場合であっても以下の処理については修正することが求められています。

1)のれんの償却
2)退職給付会計における数理計算上の差異の費用処理
3)研究開発費の支出時費用処理
4)投資不動産の時価評価及び固定資産の再評価
5)会計方針の変更に伴う財務諸表の遡及修正
6)少数株主損益の会計処理

いうまでもなく、そもそも日本基準にもあるいは国際財務報告基準や米国会計基準にも準拠していない場合には上記以外の項目についての修正も当然ながら必要になってきます。

これらの修正をもれなく、しかも正しく行うにあたっての修正方法には2つのアプローチが考えられます。

「A」:子会社で日本の会計基準に合わせるために必要な修正を行った上で報告してもらう
「B」:修正が必要な事項の基礎情報を子会社から報告してもらい親会社で修正を行う
「A」の場合には、修正の内容と根拠、網羅性を親会社で確認する必要があり、一方「B」の場合には、正しい基礎情報が漏れなく入手できているかの確認が必要になります(親会社では正しく処理できることが前提です)。これまでも実際「B」の方法が一般的に多いように思いますが、米国企業などでは従来から日本法人(子会社)に対して「A」の対応を求めていたのではないかと認識しています。通常「B」の方が確実に処理できるような印象を持ちますが、会社の実態を認識した上でもれなく正しく対応するには「A」の方法が望ましいのかもしれません。

なお、いずれの場合にも(1)親会社で子会社の会計処理基準および要修正項目を正確・タイムリーに把握することと(2)子会社の経理担当者が日本の会計処理基準を正しく理解し、要修正事項に適切に対応できること(子会社への教育が必要になります)が求められ、(1)などについてはシステムで正しく管理できていることが内部統制の視点からも重要と考えます。

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