2008.02.22

第43回 言行一致とアカウンタビリティ

株式会社ディーバ 代表取締役社長 森川 徹治

ちょうど一年前、ディーバが上場するにあたり、さまざまな経営の諸先輩にお会いして上場企業としての心得を指南いただきました。最も多かったのが「言行一致」というものでした。「将来の夢を語るのもよいが、利害関者が広がることを意識して、夢と約束が混同されないように十分に気をつけなさい。」というものでした。異論は全くありませんでしたが、理想と現実のはざまで言行一致の難しさに思い悩むこともたびたびです。

「信なくば立たず」という言葉がありますが、「言行一致」は政治の世界のみならずビジネス社会においても、もっとも尊いことであると信じています。しかし、環境がどんどん変わる現実の世界では発した言葉の修正を余儀なくされることもたくさんあります。このような状況においても、自らが発した言葉に縛られ、目の前の現実を直視して修正することをせずに、事実をゆがめてしまうという不幸なこともたくさんあるのも事実です。企業の不正会計などもその一例ではないでしょうか。

法律の遵守には是非を問う余地はありません。しかし未来の事業計画・業績見込に対する言行一致に対しては、精度向上を目指す一方で、修正が必要な時は適切に修正することができるように日ごろから組織として備えることが重要であると感じるようになりました。事業活動における組織としての備えとは、「すべての意思決定と事業活動が利害関係者に説明可能であるように徹底することである。」つまり、アカウンタビリティを担保できないことはしないというものです。

全事業活動のアカウンタビリティを担保する前提で経営を考えると、会計情報に対する考え方も大きく変わりました。経営のために使う管理会計と開示のための財務会計に対する重要性が逆転するというものです。これまで、内部の利用だけを前提としていた管理会計情報で経営していたものを、外部開示を前提とした財務会計を軸とした情報で経営していこうと考えるようになりました。

現在の会計技術(基準)は、目に見えない重要な事業資産である人やノウハウ、信用といったものを十分に反映できるものではないので、開示用の財務諸表だけで経営できるわけではありません。しかし、開示用情報を基本として不足している部分を補うという発想であれば、アカウンタビリティは従来よりも担保しやすくなるだろうという考えです。

事業計画策定サイクルについても、従来年度毎の計画が基本であったものを、四半期開示と同期して、四半期ローリングフォーキャストに変更しました。はじめは事業計画の工数が増加しましたが、回を重ねることで計画効率も、計画精度も以前と比べると向上するトレンドにあります。元の経営品質がまだまだ未熟であるので、その効果は十分と言えませんが、長期的には大きな成果につながると信じております。

以前、とある経営者の方が「アカウンタビリティの徹底は、言行一致の第一歩である。」とおっしゃっていたことが、少しだけ理解できるようになりました。

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