2008.04.18

第47回 日本銀行の財務諸表

公認会計士 斎藤 和宣

今年に入ってから日本銀行の総裁、副総裁人事が政治の話題として注目されてきましたが、4月になって白川副総裁が総裁に就任しG7にも出席するなど、多少の落ち着きを見せ始めています。サブプライムローン問題に端を発する世界的な金融市場の混乱の中で、政争によって中央銀行の総裁が空席のままにされることを非難する声も聞こえました。そこで、これほど注目された日本銀行とは、そもそもどのような存在なのかを確認してみたいと思います。

日本銀行のホームページを参照すると、明治15年に日本銀行条例に基づき日本銀行は業務を開始しました。そして現在に至って、日本銀行は、「銀行券を発行すること」「物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資すること」「決済システムの円滑かつ安定的な運行を確保し、金融システムの安定に資すること」を目的として運営されています。業務としては、[金融政策の実行]、[金融システムの安定化]、[決済システム・市場基盤の安全性・効率性向上]、[銀行券・貨幣の発行・管理]、[国庫・国債・対政府取引]、[国際金融、調査・研究・統計]、[対外説明・広報]を行っていると説明されています。

ここで、上記業務を行っている日本銀行の財務諸表(平成19年3月末)をみてみるといろいろと興味を惹くものがあります。例えばB/Sでは金地金を約4000億円保有していたり、国債を76兆円も保有(買いオペ、売りオペにより変動)していたり、発行銀行券が7600億円、資本金は日本銀行法で定められた1億円であることに目がいきます。また、P/Lでは国債利息(収益)が5700億円計上されていたり、「銀行券製造費」という費用科目があったり、剰余金処分表では、これも定めにより資本金の5%までの配当しかできないことや、残った剰余金は国庫納付金として国に戻される(一般会計の歳入費となって利用されています)といったように、業務内容が科目・金額となって財務諸表に表現されています。

日本銀行の財務諸表を例にしましたが、このことは民間一般企業についても同様で、各社が行うすべての経済活動はお金の切り口で測定することで財務諸表の中に何らかの形で表現されており、逆にいえば財務諸表をひも解くことで各企業の経済活動の状況を読み取ることが可能になります。ここに、財務諸表の重要さ、面白さを感じることができます。

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