2008.05.16

第49回 株式100分割

公認会計士 斎藤 和宣

先日、NTTが株券の電子化に備え株式の100分割を行うという報道がありました。ホームページにもニュースリリースとして、取締役会において株式の分割(1株を100株に)単元株制度導入(単元株数を100株に)を行うこと、および ADR(米国預託証券)の対原株比率を変更することを決議した旨が説明されていました。その趣旨は、株券の電子化により、端株の解消が必要となることから、円滑な端株制度からの移行を図るため、株式を分割するとともに単元株制度を導入することとされています。

そもそも、株券電子化(株式のペーパーレス化)とは、「社債、株式等の振替に関する法律」により、上場会社の株式等に係る株券をすべて廃止し、株券の存在を前提として行われてきた株主権の管理を、証券保管振替機構及び証券会社等の金融機関に開設された口座において電子的に行うこととするものです(金融庁HPより)。そのことにより株券を保有することに伴う盗難、偽造のリスクを低減するばかりでなく、保管・管理コストを削減することもできるとされており、株式を発行する会社側のメリットばかりでなく株主にとってのメリットも説明されています。

前述のように、株券電子化と端株の解消および株式分割と単元株制度導入を、株主の利益を守るという点で関連性をもたせたところが印象に残ったニュースでしたが、株式、およびそれを有するものとしての株主とはいったいどんな存在なのかを少し考えてみたいと思います。会社法においては、株主はその有する株式により普通株式であれば配当や残余財産を受取る権利や株主総会における議決権を持っているとされており、会社の所有者という表現をされることもあります。また株主の権利の表現方法として、通貨で計測できる価値金額を、会社の貸借対照表において純資産や株主資本として計上(認識)しています。

ところで、株主重視と称して株主への還元(配当)のみに目を向かせるきらいのある論調も世の中にはあったりもしますが、企業の経済活動は、そこで働く従業員やその家族や地域社会、国などのインフラ基盤など多くの関係者によって価値を生み出しており、株主だけでなくこうした関係者に十分に還元、共有されるべきものと感じています。あくまでも私見ですが、公開企業であれば、株主とはすべての関係者で利益(余剰)を分かち合った後に残余分があればそれを手にすることができるだけの存在ではないかと考えたりもしています。

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